( 318558 )  2025/08/24 03:06:27  
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会談を前に韓国の李在明(イジェミョン)大統領(左)を迎える石破茂首相=23日午後、首相官邸(春名中撮影) 

 

石破茂首相は23日夕、6月の就任後初めて来日した韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と官邸で会談した。未来志向の日韓関係発展に向けた協力を推める方針を確認する。石破首相と李氏による首脳の相互往来「シャトル外交」の第1弾の位置づけで、首相は会談の冒頭で「日韓の安定的な関係の発展は両国と地域全体の利益になる」と強調した。会談後、公邸で夕食会を開き、文書での成果発表も調整している。 

 

■李氏、会談冒頭で歴史問題への具体的な言及はせず 

 

1965年の国交正常化以降、韓国大統領が就任後の最初の2国間訪問で日本を訪れるのは初めて。ロシアと北朝鮮の軍事協力進展など東アジアの安全保障環境が悪化する中、「韓国政府の日本重視の表れ」(外務省幹部)といえる。 

 

首相は会談の冒頭、「非常に厳しい戦略環境の下、最初に日本を訪問していただき、大変心強い」と語った。李氏は「それぐらい韓日関係を重要視しているとご理解いただければ」と応じた。首相が掲げる地方創生を踏まえ、李氏は次回の会談を韓国の地方都市で開催したいと述べた。 

 

会談冒頭では歴史問題に関する具体的な言及はなかったが、李氏は「難しい問題は難しい問題として扱い、時間をかけて考慮し、一方で協力できる分野では協力する」と述べ、いわゆる徴用工問題や慰安婦問題を解決済みとしない余地も残した。李氏は来日前の書面インタビューで過去の政府間合意を「覆すことはできない」と述べた。 

 

■北の核・ミサイル開発抑止で連携 

 

両首脳は会談で、北朝鮮の核・ミサイル開発の抑止に連携して取り組む方針を確認。北朝鮮、中国、ロシアを念頭に、日米韓3カ国の安保協力をさらに強化する必要性も確認する。今年は日韓国交正常化60周年の節目で、経済や文化交流、少子高齢化への対策など幅広い分野での関係強化も申し合わせる。 

 

シャトル外交は、歴史問題を巡る日韓関係の悪化で途絶えていたが、2023年5月に当時の岸田文雄首相と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の間で再開した。李氏は日本に続いて米国を訪れ、トランプ大統領との初会談に臨む。 

 

 

 
 

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