( 318811 )  2025/08/25 03:16:10  
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自民党と公明党は参院選で掲げた現金給付の実現に向けて動いているが、給付対象の見直しが進んでいる。

もともとは全国民を対象にする予定だったが、世論の反発や、野党との協議が進んでいないため、対象を子どもや低所得層に絞る案が浮上している。

公明党は公約実現を目指す一方で、調整は進んでおらず、立憲民主党や他の野党は給付に厳しい姿勢を見せている。

現状、制度設計も進んでおらず、臨時国会での補正予算案提出は急務となっている。

自民党内ではリーダーシップの不透明感から様子見の姿勢が強い。

(要約)

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「現金給付」を巡る各党の状況 

 

 自民、公明両党が7月の参院選で公約に掲げた現金給付を巡り、政府・自民内で全国民を対象にした給付の見直し論が強まっている。少数与党下で野党から賛成を得るメドは立たず、世論の理解も得られていないためだ。迅速な給付を訴えていたが、制度設計は進んでいない。(政治部 山口真史、山崎崇史) 

 

 「政務調査会を中心に協議が進んでいると理解している」 

 

 自民の森山幹事長は19日の記者会見で、公約に掲げた現金給付をいつどのように実現するのかを問われ、こう述べるにとどめた。 

 

 自公は元々、給付の裏付けとなる2025年度補正予算案を秋の臨時国会で成立させ、年内の給付開始を目指していた。だが、参院選の惨敗を受け、政府・自民内からも、対象などの再考を求める声が出ている。 

 

 公約では国民1人2万円(子どもや住民税非課税世帯の大人には4万円)を給付すると記したが、子どもや低所得世帯などに対象を絞る案が浮上している。「全員に幅広く配っても経済効果は限定的だ。迅速に届けるのも難しい」(首相官邸筋)との見方からだ。 

 

 そもそも現金給付は、世論調査で評判が悪く、政府・与党が一度は断念したものの、6月に急きょ打ち出した経緯がある。自民内には実施そのものに否定的な意見も根強い。 

 

 一方、現金給付策を主導した公明は「公約に掲げた以上、実現を目指していかなければいけない」(岡本政調会長)と公約通りの実施を主張する。ただ、「石破政権の先行きが不透明で自民との協議は動いていない」(幹部)と明かす。 

 

 実現に不可欠となる野党との調整も進んでいない。 

 

 立憲民主党は、参院選公約に国民1人2万円の給付を明記したが、消費税減税や「給付付き税額控除」と一体での実施を要求している。立民幹部は「与党が本気でないのに、助け舟を出すことはない。困るのは与党だ」と冷ややかだ。 

 

 日本維新の会と国民民主党は給付に反対の立場だ。維新の吉村代表(大阪府知事)は「減税をすべきだ」と訴え、国民民主の玉木代表も「2万円(給付案)が出てきたら反対する」と明言している。 

 

 臨時国会に補正予算案を提出するには、制度設計を急ぐ必要があるが、自民内では臨時総裁選の実施の是非を問う作業が進められており、自民幹部は「当面は様子見だ」と語っている。 

 

 

 
 

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