( 318976 )  2025/08/25 06:30:31  
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2024年から新NISA制度が始まる中、多くの人がNISAを利用した資産運用を考えています。

特にS&P500に関連する投資信託「eMAXIS Slim 米国株式」は、この5年間で基準価額が約3倍に上昇しました。

株価の上昇要因には、米国経済の長期的な成長と円安などが影響しています。

また、積立投資はドルコスト平均法によってリスクを分散し、長期的に安定したリターンが期待できるとされています。

そのため、今からNISAを始めても遅くはなく、早く始めることが有効です。

(要約)

( 318978 )  2025/08/25 06:30:31  
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「S&P500が5年で150万円も増えた!」という同僚。NISAをすすめられたけど、今からやっても“お得”ですか? 今後の見通しをFPが解説 

 

2024年から新NISA制度が始まったこともあり、「NISAを使って資産運用をしたほうがいいのか?」と漠然と悩む人は多いのではないでしょうか。もしかしたら、同僚や友人から「数年前にNISAでS&P500を買ったら100万円以上増えた」などと言われ、興味が湧いてきたという人もいるかもしれません。 

 

一方、「これから株価は下がるのではないか?」という不安から、NISAによる資産運用を今から始めても遅いのではと感じる人もいるでしょう。 

 

本記事では、これまでの株価の値動きの背景や、今から積立を始めた場合の見通しを分かりやすく解説します。 

 

S&P500とは、アメリカの代表的な上場企業500社で構成される株価指数で、Appleやマイクロソフトなど世界的な企業の成長を反映する指標です。 

 

S&P500に連動する投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の基準価額は、5年前の2020年8月1日時点で1万1186円でした。それが2025年8月1日には3万4806円となっており、実に3倍近くにまで値上がりしています。 

 

2020年はコロナショックにより一時的に株価が急落しましたが、同年8月にはすでにコロナ前の水準に回復。その後、米国の利上げの影響を受けて株価が軟調になった2022年を経ても、5年間を通じて見れば右肩上がりで成長してきました。 

 

また、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額は、米国株式の値動きに加え、円とドルの為替変動の影響も受けます。 

 

投資信託自体の売買は円で行いますが、実際には投資家の円がドルに換えられて米国株に投資される仕組みのためです。2020年8月の1ドル=105円前後から現在は150円前後まで円安が進み、この為替差益が米国株価の上昇と相まって基準価額を押し上げました。 

 

筆者の試算によると、2020年8月から旧つみたてNISAを活用(2024年の新NISA開始後も同額を継続)して毎月3万3333円ずつ積み立てていた場合、総投資額約200万円に対し、2025年8月時点の評価額はおよそ350万円となります。5年間で資産は1.75倍に増えていた計算です。 

 

 

この数年でS&P500が大きく伸びたと聞くと、「今からでは遅いのでは」と感じる人も多いかもしれません。それでも、始める価値は十分あります。 

 

理由の1つは、今後も米国経済の長期的な成長が期待されているからです。実際に年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)でも、外国株式の想定利回りを年4.6~8.1%と見込んで資産配分を行っています。 

 

GPIFのベンチマークであるMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)は、米国株を約66.7%含んでおり、S&P500も類似した値動きになる可能性は高いでしょう。 

 

また、積立投資であれば毎月一定額を購入することで「ドルコスト平均法」の効果が得られます。価格が高いときは少なく、安いときは多く購入できるため、購入価格が平均化され、短期的な値動きの影響を受けにくくなります。 

 

さらに、金融庁の資料でも「積立投資を継続することでリターンは安定する」ことが示されています。相場の上下を予測して売買のタイミングを計るのはプロでも困難であり、むしろ少しでも早く積立を始めて長く続けることが、結果として最も効率的な投資方法といえるでしょう。 

 

過去5年間でS&P500の基準価格は3倍近くになり、5年前から積み立てていたら1.75倍になっていたという事実を目の当たりにすると、「今は高値であって始める時期ではないのでは」「近いうちに暴落が起こるかもしれない」と不安になるかもしれません。 

 

しかし、積立投資は長期的に続けることで収益が安定します。未来の株価は誰にも予測できないため、タイミングを計るよりも、早く始めて時間を味方につけるほうが有効です。迷っている今こそが始めどきといえるでしょう。 

 

出典 

三菱UFJアセットマネジメント株式会社 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 

 

執筆者 : 浜崎遥翔 

2級ファイナンシャル・プランニング技能士 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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