三菱商事は千葉県銚子市沖の洋上風力発電所建設計画から撤退すると発表し、社長の中西勝也氏が熊谷俊人知事に経緯を説明した。

中西社長は地域住民の期待を裏切ったことを謝罪しつつ、今後も地域の共生を重視する意向を示した。

一方、熊谷知事は撤退を非常に遺憾とし、地域経済活性化への影響を強調した。

知事は事業準備を進めてきた経緯もあり、三菱商事に対して地域活性化策を求める意向を示した。

また、木更津市の国際協力機構（JICA）の問題についても言及し、再発防止を求めた。

（要約）

熊谷俊人知事（右から2人目）と面会する三菱商事の中西勝也社長（左端）＝28日、県庁（鈴木貴之撮影） 

三菱商事が千葉県銚子市沖など3海域で進めてきた洋上風力発電所の建設計画から撤退すると発表したことを巡り、同社の中西勝也社長は28日、千葉県庁を訪問し、熊谷俊人知事に撤退の経緯を説明した。中西社長は「地域の皆さんの期待を裏切ったことは申し訳ない」と語り、「洋上風力はいったん引くが、地域の共生については引き続き真摯に話をさせていただきたい」と話した。 

これに対し熊谷知事は「再生可能エネルギーの確保はもとより、地域経済の活性化の観点からも期待を寄せていた。今回の撤退に関して大変遺憾だと申し上げるしかない」と強調した。 

熊谷知事は「県としても地元としても、この事業に当たり準備をしてきた。御社（三菱商事）に振り回された形になった」と訴えた。面談は同社の希望で開催され、冒頭以外は非公開で行われた。 

これに先立ち行われた定例記者会見で、熊谷知事は「政府は速やかに完遂可能な形での再公募をしてほしい」とした上で、同社には「地元に対して、継続的にどのような地域活性化策をするのかを求めたい」と強調した。 

また、木更津市のナイジェリア「ホームタウン」認定を巡る混乱に関して「誤解によってこのような事態になったのは残念だ」として「国際協力機構（JICA）には再発防止に努めてもらいたい」と語った。