( 320266 )  2025/08/30 05:51:26  
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2025年8月29日、東京都八王子市で自動運転バスが歩道に乗り上げて街路樹に衝突する事故が発生し、乗客数名が軽傷を負った。

このバスは東京都の実証実験の一環で運行されており、自動運転のレベル2であった。

事故は始発の高尾駅北口を出発した直後に起こり、周囲に車や歩行者がいなかったにもかかわらず、突然発生した。

装備されていたシートベルトが緩く、乗客が体を投げ出す危険もあったため、準備不足が指摘される。

筆者は、この実証実験を開始するには時期尚早だと感じている。

(要約)

( 320268 )  2025/08/30 05:51:26  
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写真1:街路樹に衝突した自動運転バス(著者撮影) 

 

2025年8月29日11時30分頃、東京都八王子市で自動運転バスが歩道に乗り上げ、街路樹に衝突する事故が発生し乗客数名が軽傷を負った。そのバスにはダイヤモンド不動産研究所の記者も同乗していた。自動運転バスの”暴走”事故の様子をレポートする。 

 

 このバスは、東京都が進めるプロジェクトの一環として、八王子市で8月23日より実証実験を行っていた自動運転バスだ。自動運転レベルは運転手が同乗する「レベル2」で、実際の道路を一般の乗客を乗せて運行していた。 

 

写真2:事故の瞬間(著者撮影) 

 

 事故は、始発の高尾駅北口から出発して直ぐに起きた。平日のお昼時の甲州街道。車通りは非常に少なく、4車線で幅も十分。横断歩道も信号も離れている。あおり運転やスピード超過の車が近くを通ったわけでも、車線に飛び出してきた歩行者がいたわけでもない。事故が起こりようもないはずの場所で、今回の事故は突然、発生した。 

 

 バスは大きく車線を外れ、歩道へと乗り出して街路樹へ衝突。乗っていた筆者の感覚では、この間、減速や急停止が行われたようには感じなかった。 

 

 今回はたまたま街路樹に衝突して止まったが、そこに歩行者がいたら大惨事となっていたことだろう。 

 

 実のところ、発進前から不安はあった。 

 

 事故を起こしたバスの1本前のバスが、わずか数メートルの区間を何度も急ブレーキをかけながら進んでいく姿を、停留所の人々は不安そうに見つめていたからだ。 

 

 また、バスの発進直後「急ブレーキがかかることが多いため、シートベルトを締めるように」とのアナウンスが入ったものの、設置されていたシートベルトがあまりに緩いことも気になった。これでは、有事の際に効果があるのかは疑問である。実際、体が前方に大きく投げ出され、手すりや椅子などに衝突してしまった乗客もいた。 

 

 今回の実証実験。開始するには時期尚早であり、準備不足だったのではないか。それが一乗客としての率直な感想である。 

 

ダイヤモンド不動産研究所 

 

 

 
 

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