( 320321 )  2025/08/30 06:42:18  
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中日ドラゴンズの中田翔選手が2025年8月15日に現役引退を正式に発表しました。

彼は6月に引退を決断し、身体的な不調からチームに迷惑をかけられないと感じたためです。

中田選手は2008年にプロ入りし、18年のキャリアを持ち、2025年の年俸は3億円とされています。

引退後の所得税と住民税の影響についても言及されており、特に住民税は前年の所得に基づくため、引退後の年収が減少しても高額な住民税の納付義務が残るという点が強調されています。

納税資金の計画的な準備が重要だとされています。

(要約)

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あっしゅ / PIXTA 

 

2025年8月15日、中日ドラゴンズの中田翔内野手(36)が名古屋市内で会見を行い、今季限りでの現役引退を表明した。 

 

引退を決めたのは6月頃で、「日々野球をやっている中で満足いくスイングができないとか、思い通りに体が動かないというのを感じて、これ以上チームに迷惑をかけられないと思い、そういう決断を下しました」と話した。 

 

中田選手は2008年、北海道日本ハムファイターズでプロのキャリアをスタート。2021年に読売ジャイアンツ、2023年には中日ドラゴンズへ移籍し、プロキャリア18年の幕を下ろすこととなった。 

 

中田選手の2025年の推定年俸は3億円で、引退後の去就は現時点では不明だ。もし来年、年収が大幅に下がることになった場合、税金はどうなるのだろうか。小野好聡税理士に聞いた。 

 

●事業所得が3億円の場合、合計約1.6億円の税金を支払うことに 

 

ーー2025年の年俸が3億円の場合、来年支払う税金はどうなるのでしょうか。 

 

プロ野球選手の年俸は個人事業主としての「事業所得」です。年俸3億円の場合、必要経費や各種控除を考慮しないと仮定すると、所得税は最高税率45%が適用され、復興特別所得税と合わせて約1億3,294万円となります。 

 

また住民税は、課税所得に対して一律10%の所得割が課され、約3,000万円となります。よって、合計で約1億6,294万円を翌年(2026年)に納付します。 

 

なおこれは概算であり、実際の納税額は各種控除等を適用した上で確定します。参考までに、所得税および住民税の概算計算例は以下のとおりです。 

 

<所得税> 

所得税は以下の速算式で計算します。 

 

・所得税額 =(課税所得金額✕税率)ー控除額 

(300,000,000円✕45%)ー4,796,000円=130,204,000円 

・復興特別所得税額=所得税額✕2.1% 

130,204,000円✕2.1% = 2,734,284円 

 

・所得税の合計額(概算) 

130,204,000円+2,734,284円=132,938,284円 

 

<住民税> 

住民税は主に「所得割」と「均等割」で構成されます。 

 

・所得割額=(課税所得金額) ✕税率(10%) 

300,000,000円✕10%=30,000,000円 

・均等割額 

自治体により異なりますが、年間5,000円程度が標準です。 

 

・住民税の合計額(概算) 

30,000,000円+5,000円=30,005,000円 

 

●納税資金を計画的に準備しておくことが大切 

 

ーー中田選手は2026年以降、年収が大幅に下がる可能性がありますが、税金面で注意すべきことがあればお教えください。 

 

最も注意すべきは住民税です。 

 

住民税は前年の所得に対して課税される「前年所得課税」という仕組みです。そのため、収入が大幅に減少する2026年においても、高額所得であった2025年の年俸3億円を基準とした高額な住民税(約3,000万円)の納付義務が生じます(6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納税)。 

 

現役時代の所得を基準とした税負担が、引退後の生活に重くのしかかる可能性があるため、納税資金をあらかじめ計画的に準備することが極めて重要です。 

 

【取材協力税理士】 

小野 好聡(おの よしふさ)税理士・公認会計士・宅地建物取引士・介護事務管理士 

介護・障がい福祉事業専門の税理士事務所。サブスク税務顧問、開業・立ち上げ支援など各種サービスを提供。同事業に強いパートナーとしてビジネスをサポートしている。 

事務所名 :のどか会計事務所 

事務所URL:https://nodokaya.jp/nodoka_kaikei/ 

 

弁護士ドットコムニュース編集部 

 

 

 
 

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