( 320553 ) 2025/08/31 06:22:04 0 00 「ガソリン代」ついに大幅減!? 暫定税率が“11月廃止”の場合、減税効果はどのくらい?「月8000円」のケースで効果を試算
「11月からガソリン価格の負担がついに軽くなる」……そんな期待が高まっています。立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の野党7党は、8月1日に共同で「ガソリン暫定税率廃止法案」を衆議院に再提出しました。
この11月という時期は、あくまで“法案上の予定”に過ぎません。実際に廃止が実現するには、国会審議を経て可決・成立する必要があります。それでも、車を多く使う人にとっては大きな効果があると期待されています。
本記事では、暫定税率とは何か、この法案が可決された場合にどれくらい家計が楽になるのか、ガソリン代が月8000円かかっていた人を例に解説します。
「トリガー条項」とは、ガソリン価格が一定の基準を超えた場合に、ガソリン税に上乗せされる暫定税率部分(約25円/リットル)を自動的に免除する仕組みです。
具体的には、 全国平均小売価格が1リットルあたり160円を3ヶ月連続で超えた場合、翌月からこの上乗せ分が減税されます。一方、価格が130円を3ヶ月連続で下回ると、この暫定税率が再び課されます。
トリガー条項は、2011年の東日本大震災の復興財源確保のために導入された特例法により凍結されており、現在も発動されないままとなっています。
ガソリン代にかかる税金は複数存在し、その合計にさらに消費税がかかるため、実質的に「二重課税」とも言われています。
■税金の内訳 ガソリン、揮発油税の本則税率と暫定税率、さらに石油石炭税や温暖化対策税といった税が課されており、1リットルあたり合計で53円ほどの税金が上乗せされています。
■消費税の重なり これら燃料税に加え、ガソリン価格の合計額に対して消費税(10%)がかかるため、こうした仕組みは「二重課税ではないか」と指摘されているのです。
■廃止対象は暫定税率 このうち、今回廃止が検討されているのは「暫定税率」の部分です。暫定税率は元々、第一次オイルショックに伴うエネルギー価格の高騰を背景に道路整備の財源不足を解消する目的で特別に上乗せされた税金であり、この部分が減税されることでガソリン価格の大幅な引き下げが期待されています。
つまり、二重課税構造のうち、暫定税率が廃止されれば、約25円/リットルの減税効果が生まれ、その分だけガソリン代が下がる仕組みとなっています。
ガソリン暫定税率の廃止が実現すると、実際にどれほど家計の負担が軽くなるのでしょうか。ここでは、月に約8000円のガソリン代を支払っている人を例にシミュレーションしてみます。
まず、暫定税率は1リットルあたり約25円です。仮にガソリン価格を1リットル160円とすると、8000円÷160円=約50リットル給油している計算になります。
暫定税率が廃止されれば、1リットルあたり約25円の税が引かれるため、50リットル×25円=1250円の減税効果が期待できます。その結果、8000円かかっていたガソリン代は8000円-1250円=約6750円に下がり、月々の負担が約15%軽減されることになります。
ただし、実際には原油価格の変動やほかの税制の影響を受けるため、このシミュレーションはあくまで目安です。
ガソリン暫定税率の廃止は、家計負担の軽減につながる一方で、税収減による影響を懸念する声もあります。今後の国会審議では、家計への効果と財源の在り方の両面を踏まえた議論が重要となるでしょう。
出典 参議院常任委員会調査室・特別調査室 揮発油税等の「トリガー条項」-主な経緯と論点-
執筆者 : 村吉美佳 FP2級、日商簿記2級、宅建士、賃貸不動産経営管理士
ファイナンシャルフィールド編集部
|
![]() |