( 320773 ) 2025/09/01 05:03:38 0 00 小泉進次郎農相(2025年5月撮影)
小泉進次郎農相は31日、NHK「日曜討論」(日曜午前9時)に生出演。大臣就任直後から始めた随意契約による政府備蓄米の放出について「農家の方にとっては、あいつふざけんなと、何大臣だと思ったと思います」と生産者側の反発に思いをはせながら「安定化に向けたかじ取りの一環という思い。時間がかかるかもしれないが丁寧に説明を続けたい」と訴えた。
随意契約による備蓄米放出は、5キロ2000円台で小売店の店頭に並んでいる。一方、農水省は、当初8月いっぱいとしていた随意契約による備蓄米の販売について9月以降も販売できるように延長した。随意契約による放出を公表した備蓄米は50万トンで、契約が完了した28万トンのうち、配送の遅れなどで10万トン程度の引き渡しが終わっていないことに伴う措置。
これから新米が店頭に本格的に並ぶタイミングでもあり、この日、番組にともに出演したコメの生産農家からは、備蓄米の販売延長に理解を示す声が出る一方で、「消費者に対するメッセージとしては非常に正しかったと思うが、生産現場へのメッセージにもぜひ向き合ってほしい」との要望も寄せられた。「今後、ずっと放出するのではなく、本来の形ですむ生産を整えることは必要」との指摘も直接寄せられた。
司会者に「備蓄米放出はずっと続くのか」と問われた進次郎氏は「ずっと続けるわけではない」と否定した上で「日本経済が、しっかり、ひとりひとりが経済力をつける過程の中での『つなぎ』のような位置づけととらえていただきたい」と応じた。
「いちばんいいのは、5キロ5000円でも6000円でも(消費者が)問題視することがないくらい日本経済が耐久性をつけること。私が大臣になった時、全国平均価格は4200円。これは高すぎるというのは、日本経済全体の課題だ」と主張。「今ようやく賃金も上がったが、物価が高いので賃金が上回っていない。これを正常なサイクルに持って行けるかどうかがいちばん大切だ」と述べ「これは農水省の課題というより日本全体の課題。そこがいちばん大事だと思っている」と持論を訴えた。
その上で、「ただ、これだけ(コメが)足りないということが社会で1回あった時に、こんなに(コメが)あるのか? という過剰な状況を1回つくっていくということをもって、最終的には軟着陸させていくということが、私が大臣になって随意契約(による放出)の時に、考えながらやっていたこと」と説明。
「消費者向けには、相当強いメッセージを出した。備蓄米も本来(量に)限りがあるが、無制限だというくらいの言葉(を発したこと)を通じて、農家の方にとっては『あいつ、ふざけんな』と思ったと思います。『おまえ、何大臣だ』と」と、生産者側の反発は避けられないとの認識だったと明かした。
その上で「ずっと2000円にするとか、ずっとお米の値段を下げ続けるとか、そういったことではなく、安定化に向けたかじ取りの一環であるとの思いも、なかなか時間がかかるかもしれませんがご理解をいただけるように、丁寧に説明を続けたい」と述べた。
|
![]() |