( 321288 ) 2025/09/03 03:55:48 0 00 自民党の両院議員総会で冒頭、発言する石破茂首相(中央)=2日午後、党本部(春名中撮影)
自民党が2日に公表した参院選大敗の総括報告書は、石破茂首相(党総裁)や党執行部の責任には触れず、「国民との意識の乖離(かいり)を起こした」党の再生に向け「一致結束」を呼び掛けた。しかし、政権の延命を図る首相の進退を巡って亀裂は深まり、森山裕幹事長ら党執行部は一斉に辞意を表明した。党内は不安定さを増しており、「解党的出直し」への道は険しい。
報告書をまとめた総括委員会委員長の森山氏は総会で「重要なことはこの反省を単なる言葉で終わらせるのではなく、挙党態勢を確立し、国家運営の全体像や将来像を国民に力強く示すことだ」と訴えた。
「総裁たる私の責任」(首相)。「責任を痛感している」(森山氏)
首相と森山氏は総会冒頭のあいさつで、それぞれ参院選大敗に対する自らの責任に言及したが、報告書には「誰が悪いということではなく組織の問題だ」(党幹部)として記述を避けた。
これに対し総裁選の前倒しを求める麻生派の今枝宗一郎衆院議員は総会後、記者団に「自浄作用を発揮するにはトップの責任を明確にしなければならない」と不満をぶちまけた。
報告書では、参院選で若年層や現役世代、一部保守層の「自民党離れ」を招いたとし、その要因として「政治とカネ」を巡る不祥事や物価高対策の弱さを挙げた。
派閥パーティー収入不記載事件については「引き続き党に対する不信の底流となっていることを厳しく自覚し、猛省しなければならない」と指摘した。物価高対策に関しては公約で掲げた現金給付案が、野党が主張する減税に「十分対抗できず、防戦に回った点は痛恨だ」と振り返った。
衆院で過半数を割った「少数与党」での政権運営によって「政策実現の成果が野党側に渡り、独自性を発揮できる機会が減少」したことも敗因の一つと分析した。
報告書は解党的出直しによって「再び国民に信頼され負託に応えられる真の国民政党に生まれ変わることを誓う」と結んだが、石破政権下での再生は容易ではない。衆院中堅は「首相が自ら退き、党内の体制を立て直すことが再生への第一歩だ」と強調する。(小沢慶太)
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