( 321433 ) 2025/09/03 06:47:46 0 00 赤と青のツートンカラーが鮮やかな「ミャクミャク」
関西在住者なら、1日に1回は必ず見かけると言っても過言ではない「ミャクミャク」。街を歩けば、ポスターやマンホールなど至るところに現れ、電車に乗ればキーホルダーを付けている人があちこちに。
“本拠地”である大阪・夢洲の万博会場を訪ねれば、ミャクミャクの濃度は100倍にも1000倍にもふくれあがります。
そのミャクミャクの経済効果について先日、関西経済の調査研究を行うシンクタンク「アジア太平洋研究所」と関西観光本部が合同で調査し、万博会場を訪れた人が買い物に費やした額が、7月末までに620.9億円になるとの推計値を発表しました。1日あたり約5億6000万円にのぼります。
大屋根リングの下にも土産物店が
(来場者) 「グッズ購入費は10万円はいってないと思うんですけど、8万円とか」 「(購入費は)だいたい20万円ぐらい。初めて見たときは『えー?なんでこんな?』って思ったけれど、だんだんかわいさが増してきた」
会場を歩くと老若男女、様々な人たちがミャクミャクグッズを手に持ち、中には赤と青のツートンのファッションで着飾って楽しむ人も。
会場内の土産物店は開幕当初は8店舗だけでしたが、ミャクミャク人気の高まりなどを受けて増え続け、いまでは20店舗にまで拡大しました。
万博協会は、1160億円の運営費のうち969億円を入場券収入でまかなうとしていて、入場券の販売枚数はすでに損益分岐点を超えています。
運営費のうち110億円をミャクミャクグッズなどのロイヤリティーでまかなう予定
残りの2割ほどのうち、110億円をグッズ販売のロイヤリティーなどでまかなう予定にしていますが、まさに「黒字化のカギ」を握るのがミャクミャクだと関係者は話します。
万博協会の関係者はーー 「見立てでは、ロイヤリティー収入は110億円の数倍は行きそうだ」 「協会スタッフは、『ミャク様』って呼んでいますよ」 と、想像以上の貢献度にうれしい悲鳴を上げています。
“1日何千個”売れるという ミャクミャク×サンリオコラボ商品
うれしい悲鳴を上げるのは、協会関係者だけではありません。
(ヘソプロダクション担当者) 「サンリオとコラボしたキーホルダー、これが一番売れてます。1日何千個なんかは、あっという間に無くなる感じです」 「ミャクミャクぬいぐるみのブレスレット。お土産って普通は帰り際に買うんですけど、こういう『なりきり系』は朝一で買って楽しむので、朝から売れている」
グッズ企画や卸売りを手がける「ヘソプロダクション」は、万博のためだけに大阪市内の貸倉庫を借りました。トラックも2台レンタルし、夢洲との行き来を繰り返しているんだそう。
担当者の鈴村さんは、20年前の「愛・地球博」でもグッズ販売に携わりましたが、今回の売れ行きは「その比ではない」と話します。
ミャクミャクさえ付いていれば何でも売れる
(ヘソプロダクション担当者) 「たぶん、生きている間にもう2度とないかもというレベルです。(ミャクミャクの第一印象は)気持ち悪いし、商品化するのも難しいし、お客さんに受けるのかなと思っていたんですが、今となったらミャクミャクさえついていたら、何でも売れるんじゃないかなっていう」
貸倉庫代やレンタカー代など初期投資もかなりの額をかけているといい、在庫コントロールが大変な「ここからが勝負」だということです。
アジア太平洋研究所・稲田義久研究統括
好調な“ミャクミャク経済”について、アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括は、このように話します。
(稲田研究統括) 「若い人を中心にミャクミャクが大化けしている。『今買っとかないと』という商品もありますよね。こういう所も消費の単価の上振れにつながる」
アジア太平洋研究所は7月、関西観光本部と合同で万博会場を訪れた人を中心に892人の日本人・外国人に聞き取り調査をしました。
その結果、買い物代や飲食費・宿泊費など「万博来場者の7月までの消費額」が3939億円に上るとの推計を発表しました。うち、ミャクミャクグッズなどの「会場内での買い物代」を620.9億円としていて、稲田さんは「会期後半の来場者増を考えれば、買い物代を含む消費額はもっと増える」としています。
万博閉幕まであと1カ月と少し。ミャクミャクは私たちに「想像以上の結果」をもたらしてくれるのでしょうか。
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