( 322338 ) 2025/09/07 04:12:09 0 00 秋篠宮家の長男悠仁さまが成年を迎えたことを示す「成年式」が6日、皇居・宮殿などで行われる。成年式は1985年の秋篠宮さま以来40年ぶり。筑波大1年でこの日に19歳となる悠仁さまは、装束姿で成人用の冠を着ける「加冠の儀」など、宮中の伝統を受け継いだ儀式に臨まれる。(戸田貴也、坂場香織)
男性皇族の成人儀礼は古来、「元服の儀」として行われ、その歴史は約1300年前の奈良時代に遡る。宮内庁が史料で確実に確認できる最も古い例は714年、14歳だった首(おびと)皇子(後の聖武天皇)の儀式だ。
内容は詳しく記載されていないが、「元」は首または初めの意味で、「服」は着物や冠を指すとされる。788年には加冠の儀が行われた記録があり、平安時代の864年に清和天皇が成人した際、唐の制度にならって式次第が作成された。即位後の天皇は主に11~15歳で正月の1月に、皇太子は17歳までにそれぞれ儀式が行われたという。
戦後に行われた成年式
明治に入り、1909年に制定された「皇室成年式令」で、天皇や皇族らが成年となった日に行う儀式を成年式と規定した。同令は戦後の47年に廃止され、52年の上皇さまの皇太子成年式からは一部の儀式を省略したかたちとなった。悠仁さまは戦後の成年式に臨む8人目の皇族となる。
6日の成年式は午前8時45分、秋篠宮邸で行われる「冠を賜(たま)うの儀」から始まる。成年の証しの冠を天皇陛下の使いから授かる儀式だ。悠仁さまはその後、皇居に移動し、宮殿で加冠の儀に臨まれる。皇室の祖先などを祭る宮中三殿を拝礼して再び宮殿に戻り、天皇、皇后両陛下にあいさつする「朝見の儀」に出席される。勲章授与や帝国ホテル東京での祝宴など、行事は夜まで続く。
儀式に花を添えるのは平安調の装束などの衣装だ。悠仁さまは黒色の額当て「空頂黒幘(くうちょうこくさく)」を着け、浅黄色の装束「闕腋袍(けってきのほう)」姿で加冠の儀に臨まれる。服装文化に詳しい霞会館記念学習院ミュージアムの田中潤研究員によると、空頂黒幘には菊の御紋があしらわれ、闕腋袍の裾は約6メートルで、実際に着用する機会は成年式のみとなっている。
成年式の主要な儀式と衣裳
悠仁さまはその後、黒色の「縫腋袍(ほうえきのほう)」という成年装束に着替え、儀装馬車で宮殿から約1キロ先の宮中三殿に向かわれる。再び宮殿に戻り、朝見の儀には、燕尾(えんび)服で臨まれる。陛下から贈られる国内最高位の勲章の一つ「大勲位菊花大綬章」は洋装を彩ることになる。
関連行事として、悠仁さまは8日に伊勢神宮(三重県)と神武天皇陵(奈良県)、9日に武蔵陵墓地(東京都)の昭和天皇陵などを参拝し、皇室の祖先に儀式の終了を報告される。10日には三権の長らを招いた昼食会が行われる。
悠仁さまは一連の行事終了後、1月の新年祝賀の儀や新年一般参賀などの皇室行事に、成年皇族として出席される見通しだ。悠仁さまの皇位継承順位は秋篠宮さまに次ぐ2位で、側近は「学業を優先しつつ、活動の幅が広がることを期待している」と話す。
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