( 322703 )  2025/09/08 06:40:54  
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国家公務員をしている兄の夏のボーナスは70万円! 私は30万円ほどしかもらえなかったけど、公務員ってやっぱり「高収入」なの? 

 

国家公務員として働く兄の夏のボーナスが70万円で、自分は30万円ほどとなると、その差に驚き「やっぱり公務員は高収入なの?」と感じる方は少なくないでしょう。ボーナスは働く環境や制度によって大きく異なります。 

 

この記事では、国家公務員と民間企業のボーナスを比較し、その差が生まれる理由や意味を解説していきます。 

 

内閣官房内閣人事局によると、2025年夏に支給された一般職国家公務員(管理職を除く行政職職員・成績標準者)の平均ボーナス支給額は、約70万6700円でした。 

 

前年から約7.2%増えており、上昇傾向が続いています。参考までに、2024年夏は約65万9400円であり、こちらも前年から約3.5%増えていました。こうした数字からも、国家公務員のボーナスは年々少しずつ上がっていることが分かります。 

 

つまり、今回のケースにおける兄の70万円という金額は、まさに国家公務員の平均的な水準だといえるのです。 

 

一方で、民間企業の状況を見てみると差は明確です。 

 

株式会社帝国データバンクの「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」によれば、2025年夏の民間企業における平均ボーナス支給額(正社員1人あたり平均)は45万7000円となっています。単純に比較すると、国家公務員のボーナスは民間平均の約1.5倍にあたります。 

 

ただし、民間企業の中でも大企業と中小企業では大きな差があり、一般社団法人日本経済団体連合会の集計によれば、従業員500人以上の大企業では夏のボーナスの平均妥結額がおよそ97万円に達しています。この水準になると、国家公務員よりも高くなるケースも存在します。 

 

つまり、国家公務員が必ずしも「すべての民間企業より高収入」というわけではなく、働く企業の規模や業界によって差は変動するのです。 

 

国家公務員のボーナスが安定して高い理由にはいくつかの背景があります。まず、人事院勧告に基づいて支給基準が決められているため、景気変動に大きく左右されにくいという特徴があります。ボーナスは民間の賃金水準や経済状況を調査した上で決定されるため、極端に減ることはあまりありません。 

 

さらに、国家公務員のボーナスは給与の「支給月数」として制度化されており、人事院によれば、2025年度においては夏と冬を合わせて年間で4.65月分が支払われることになっています。 

 

こうした制度によって、民間企業よりも安定的に高い水準が保たれているのです。 

 

加えて、国家公務員は年功序列型の昇給制度が整っており、長く勤めることでボーナスも自然に上がっていきます。不況時に企業が業績悪化を理由にボーナスを大幅にカットするケースは少なくありませんが、国家公務員の場合はそうした極端な減額が起こりにくいのも特徴です。 

 

 

統計を見ると、国家公務員の夏のボーナスは2025年時点で平均約70万6700円であり、民間企業の平均である45万7000円を大きく上回っています。 

 

ただし、規模の大きな企業に勤める人の中には、国家公務員と同じかそれ以上のボーナスを受け取る人もいます。つまり、国家公務員だから常に高収入というよりも、「安定して平均以上を維持できる」という点が大きな魅力だといえるでしょう。 

 

今回の事例における兄の70万円と自分の30万円との差に驚くのも自然なことですが、重要なのは自分が働く業界や会社の平均と比べてどうなのかを把握することです。その上で将来のキャリア設計や家計管理を考えることで、単なる金額の比較以上に前向きな活用ができるはずです。 

 

出典 

内閣官房内閣人事局 令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給(1ページ) 

内閣官房内閣人事局 令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給(1ページ) 

株式会社帝国データバンク 2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート 

一般社団法人日本経済団体連合会 2025年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均) 最終集計 

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

ファイナンシャルプランナー 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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