( 322718 )  2025/09/08 06:57:31  
00

 賃貸物件のリビングなどの床に市販のDIY(日曜大工)用の床材を敷き詰め、床の模様替えを楽しむ例が増えている。色や柄など自分好みの雰囲気の部屋に変えることができる。退去時に原状回復が必要なので、床に傷や汚れなどをつけないよう注意したい。(岩浅憲史) 

 

アパートのリビングに木目調のフロアタイルを敷く男性(川崎市で) 

 

 川崎市のアパートに住む会社員男性(34)の部屋の天井や壁、ドアは白色、床は茶色の木目調のフローリングだ。仕事で在宅時間が長く、友人を家に呼ぶことが多いため、「居心地のよい、おしゃれな部屋にしたい」と7月、リビングの床を模様替えした。ネットで購入したのが1枚ずつ並べる床材のフロアタイルだ。 

 

 縦約90センチ、横約15センチの長方形で、ポリ塩化ビニール製。耐水性や粘着性があり、費用は144枚セットで約1万9000円。天井などの白色と合うよう、白色で木目調の商品を選んだ。壁側から1枚ずつ自分で丁寧に並べ、壁際などで余った部分はカッターで切り取った。作業は4時間ほど。男性は「雰囲気がかなり明るくなった」と満足そうだ。 

 

 床材などの販売会社「RESTA」(兵庫)ネット事業部の小林弘征さんは「賃貸物件は原状回復が必要なので、床の模様替えに接着剤を使えません。作業時を含め、下地のフローリングに傷や汚れをつけないことが大切です」と話す。同社では、接着剤が不要な賃貸向けのフロアタイル「クリックeuca(エウカ)」がよく売れている。はめ込み式で隙間ができにくい。価格は約6畳分の広さで約3万9000円が目安だ。 

 

 不動産情報提供会社「CHINTAI」(東京)によると、ここ数年、賃貸物件でフローリングの床面に床材のタイルなどを並べる部屋の模様替えが若い世代を中心に人気という。通販やホームセンターなどでDIY用の床材の扱いが増えており、SNSで活用例が発信されている。同社広報室の杉山慎二さんは「賃貸でも自分好みに部屋をカスタマイズしたいというニーズが高まっている」と話す。 

 

 

 杉山さんが勧めるのは、リビングやキッチンなどの床に置くだけで設置できて、賃貸物件でも取り外すだけで原状回復できる床材だ。フロアタイルのほか、長尺でシート状の「クッションフロア」などがある。木目調やコンクリート風、大理石柄など多彩なデザインがあり、部屋や家具、建具の色やデザインと合わせれば、統一感が出る。 

 

 床材を利用する際は注意点もある。購入の前に間取りの形状を採寸しておき、並べやすいサイズのものを選ぶ。夏や冬の温度変化で伸縮したり反ったりしにくい素材かどうかも確認しよう。 

 

 床材は隙間なく敷き詰めることが必要だ。壁や柱などで余った部分はカッターやハサミできれいに切り取る。床材のつなぎ目などに隙間があると水をこぼした時などにカビや腐食の原因になる。できれば床材の下に防湿シートを敷いて定期的に床材をめくり、換気をして湿気を逃がそう。 

 

 また、冬場に壁や床で結露が発生しやすい部屋での利用は避けたほうがよい。 

 

 

 
 

IMAGE