( 323008 )  2025/09/09 07:12:28  
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経済同友会の「活動自粛」を発表した新浪剛史氏(時事通信フォト) 

 

 大麻成分が含まれた海外のサプリメントを入手した疑いで警察から捜査を受けたことにより、サントリーホールディングス会長を辞任した新浪剛史氏(66)。9月3日に経済同友会の代表幹事として行なった記者会見では、米国で購入したサプリは適法であり、送られてきた商品は日本で所持も使用もしていないために潔白であると説明。そのうえで、経済同友会の代表幹事としては当面、活動を自粛すると語った。 

 

 三菱商事に入社し、43歳にして関連会社のローソン社長に就任。その経営手腕を買われ、2014年にサントリーHDの社長に登用された経歴を持つ新浪氏は、財界活動にも熱心だった。経済同友会では「45歳定年制」導入を提言して物議を醸したこともある。 

 

 その経済同友会において2023年から務めてきたトップの座をすぐには辞めない判断をしたことについて、『経済界』編集局長の関慎夫氏はこう見る。 

 

「サントリーについては、今回の件で顧客の信頼を失いかねないため、すぐに辞任した。一方の経済同友会は、企業経営者が個人として参加する体裁になっているので、自らの考えに基づいて、『活動自粛はするが、自分は悪くないのだから辞めない』という強気の態度を取ったということでしょう。それだけ財界活動に思い入れがあることも読み取れます」 

 

 経済同友会は倫理審査会を設け、新浪氏の続投が適切かどうかを月内にも判断する見通しだ。 

 

「警察の家宅捜索で違法成分を含む製品が見つかっていないので難しい判断になるでしょう。とはいえ、経済同友会は顧客こそいませんが、政策提言機関です。提言を出すにあたって、代表幹事が警察の捜査対象になっていることで、提言内容に齟齬をきたすことを懸念する関係者も少なくないはずです」(同前) 

 

 経済同友会の役員には有名企業のCEO、社長、会長が並ぶなか、経営トップを外れた新浪氏はいつまで“代表”を続けられるのだろうか。 

 

※週刊ポスト2025年9月19・26日号 

 

 

 
 

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