( 323503 )  2025/09/11 06:13:22  
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首相官邸 

 

 政府は、トヨタ自動車やホンダなどと連携し、電気自動車(EV)用電池の劣化状況などのデータを共有する仕組みを構築する。中古EVや中古電池の利用拡大を促し、EV関連市場の活性化を図る。電池にはレアメタル(希少金属)など多くの重要鉱物が使われており、中古品の海外流出に歯止めをかける経済安全保障上の狙いもある。 

 

 トヨタとパナソニックホールディングス(HD)が共同出資する電池メーカー「PPES」や、SOMPOHD傘下のリボルテックスなどが行う実証事業を経済産業省が支援する。トヨタやホンダなどが保有するEV電池の劣化状況などの情報を、業界を超えて共有できる仕組みを今年度中に整備する。 

 

 EVの電池は、過去の使用状況や充電回数などを把握していなければ劣化状況がわからない。第三者には見極めがつかないため、売却時の価格が安くなりがちで、中古EVの約8割が海外に流出しているのが現状だ。リースやEV向け保険などのサービスも広がっていない。 

 

 トヨタやホンダは自社のEVの電池について、1台ごとに劣化状況を把握している。こうした信頼できる情報を中古車ディーラーや保険会社などが入手できるようになれば、関連市場の拡大につながる。 

 

 経産省は昨年度、EVの将来性能を保証する実証事業を支援した。保証の付いた中古EVは販売価格が2割高くなり、車両の6割が国内で購入されたことを確認した。信頼性の高いデータがあれば、こうした保証を付けやすくなる。 

 

 政府は2035年に乗用車の新車販売の全てを、EVなどの電動車にする目標を掲げている。足元の新車販売に占めるEV比率は1%台にとどまっており、今回の取り組みが市場の育成につながるか注目される。 

 

 

 
 

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