( 324623 )  2025/09/15 07:35:49  
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<トリプル世界戦>防衛に成功した井上(撮影・島崎忠彦) 

 

 ◇プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ 統一王者 井上尚弥(大橋)<12回戦>WBA暫定王者 ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)(2025年9月14日 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ) 

 

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が、WBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)を判定3―0で破り、男子史上最多記録を更新する5度目の4団体王座同時防衛を達成。ジョー・ルイスとフロイド・メイウェザー(ともに米国)に並ぶ、歴代1位の世界戦26連勝を飾った。井上の判定防衛は今回で12戦ぶり4度目。2019年のドネア戦(埼玉)以来6年ぶりとなった。 

 

 終盤に入って、完全にペースを支配した尚弥。第9ラウンドにはロープ際から左アッパーをヒットさせた。そして迎えた第12ラウンド。割れんばかりの「ナオヤコール」が起こる中、最後まで冷静に攻め続けた尚弥は、終了のゴングを聞くと左腕を上げ歓声に応えた。アフマダリエフと健闘を称え合った後に読み上げられた判定は117-111、118ー110、118ー110。3―0の完勝にリング上で「皆さん、ありがとうございました!アウトボクシングもいけるでしょ!誰が衰えたって?」とニヤリと笑いながらファンに語り掛けた。その言葉に会場は大盛り上がり。再び「ナオヤコール」がチャンピオンに送られた。 

 

 尚弥は試合前から「今回は判定決着でもいい」と語っていた。そして「今回はこの戦い方が正解だった」と納得顔。会見では「倒しに行かないことがこれほど難しいんだなっていう発見はありました。ほんと…何回(倒しに)いってやろうと思ったシーンっていうのは何度もあったので。そこを堪えて判定に持っていけたっていうのは、一つ自分の中で良かった点ですね」と改めて試合を振り返り笑顔を見せた。 

 

 来年5月の東京ドーム決戦が内定する、中谷潤人(27=M・T)戦がリングサイドで観戦する中での勝利。リング上では「中谷くーん、あと1勝!お互い12月に頑張って、来年5月に東京ドームを一緒に盛り上げましょう!」とマイクで異例のメッセージを伝えた。12月にサウジアラビアでのWBC同級1位のアラン・ピカソ(24=メキシコ)戦を終えれば、いよいよ日本人対決が実現する。「着々とその日に向けて進んできている」。健在を示したモンスター。まだまだ進化を続けていく。 

 

 

 
 

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