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全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から年収500万~750万円未満世帯の回答をランキングで解説する。まずは「金融資産」から確認していこう。
※家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)
年収500万~750万円未満 金融資産保有率(総世帯)
保有している 82.0% 保有していない 18.0%
調査結果によると、金融資産を「保有している」と回答した世帯は82.0%となっている。一方で金融資産を「保有していない」世帯も18.0%と一定の割合で存在する。
なお、金融資産とは「預貯金のうち運用資金や将来に備えたものと、投資用の有価証券(株式や投資信託など)」と調査では定めている。生活費は金融資産から除外されるため、収入がほとんど生活費に回っている、あるいはローンなど毎月の支払いが定期的にあるという世帯などが金融資産を形成できていないのかもしれない。
保有金融商品(年収500万~750万円未満、総世帯)
預貯金、株式、投資信託など金融商品は多岐にわたるが、年収500万~750万円未満世帯の保有状況はどのようになっているのか。
【年収500万~750万円未満】保有金融商品ランキング(総世帯)
1位 預貯金(ゆうちょ銀行の貯金を含む) 97.1% 2位 積立型保険商品(生保・損保) 38.0% 3位 投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む) 36.7% 4位 株式 35.6% 5位 個人年金保険 27.8% 6位 財形貯蓄 10.7% 7位 債券 8.1% 8位 その他金融商品(金貯蓄口座、金融派生商品など) 6.0% 9位 金銭信託(ヒットを含む) 5.2% 10位 いずれも保有していない 2.4%
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※総世帯、実数1585、複数回答)よりFinasee編集部作成
年収500万~750万円未満世帯の保有金融商品ランキング1位は「預貯金」(97.1%)で断トツの結果。2位は「積立型保険商品(生保・損保)」(38.0%)。いざというときに備えつつ、同時に貯蓄も行っていきたい人の支持を集めているようだ。
3位は新NISAなどで認知を高めた結果か、「投資信託」(36.7%)がランクイン。4位の株式(35.6%)と合わせて元本割れリスクはあるが、長期的に見ると預貯金を上回る利回りが期待できる金融商品の代表格だ。昨今の物価上昇により、預貯金だけでは資産が目減りする可能性もあるなかで今後は保有率も上がっていくかもしれない。
年収500万~750万円未満世帯の保有金融商品の傾向を他の年収帯と比較すると、ある特徴が見られる。それは2位に積立型保険が入っていることだ。年収750万円以上の世帯では2位が株式となっており、大きく増やせる可能性があるリスク商品が選択されている。とはいえ、年収500万~750万円未満世帯の商品選択は、2位の積立型保険商品から4位の株式までそれぞれが僅差であり、同一世帯で複数の金融商品を保有している可能性も十分にある。
金融資産保有額(年収500万~750万円未満、単身世帯)
年収500万~750万円未満の単身世帯の金融資産保有額をグラフで見ていこう。
金融資産保有額ランキング(年収500万~750万円未満、単身世帯)
1位 3000万円以上 24.5% 2位 1000万~1500万円未満 10.3% 3位 100万円未満 9.8% 4位 700万~1000万円未満 8.8% 5位 100万~200万円未満 8.3% 5位 2000万~3000万円未満 8.3% 7位 1500万~2000万円未満 7.4% 8位 300万~400万円未満 6.4% 9位 500万~700万円未満 5.9% 10位 200万~300万円未満 4.4%
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※金融資産保有世帯、実数204)よりFinasee編集部作成
金融資産保有額を多い順に見ていくと、「3000万円以上」が24.5%と最も高い割合を占めている。つまり年収500万~750万円未満の単身世帯の約4分の1が3000万円を超える金融資産を持っていることになる。次いで「1000万~1500万円未満」が10.3%、「100万円未満」が9.8%と続く。
「700万円以上」の金融資産を持つ世帯を合計すると59.3%となり、6割近い世帯がある程度の資産を形成しているようだ。
一方で、「100万円未満」や「100万~200万円未満」を合わせると18.1%となり、同じ年収帯でも金融資産保有額に大きな差が生じている。もっとも、共通項である500万~750万円未満という年収は調査時点のものであり、過去の年収や将来の見込みは違ってくる。年代も様々である点にも注意が必要だ。
結果として、年収500万~750万円の単身世帯では3000万円以上持っている層が突出している。ただし年代や現在までの収入条件に加え、これまでの貯蓄や投資方法などによって保有額にはそれぞれ違いがある。傾向を参考に、自身の資産形成をあらためて見つめなおしてもよいかもしれない。
なお平均は2697万円、中央値は1000万円だった。平均値はデータの合計を個数で割ったもので、中央値はデータを小さい順に並べたときの真ん中の値。一般的に平均値は大きな値のデータに影響を受けやすいといわれる。今回の年収500万~750万円未満の単身世帯の調査結果の場合、3000万円以上の世帯の中に多額の金融資産を持つ世帯が含まれている可能性がある。
金融資産保有額(年収500万~750万円未満、二人以上世帯)
続いて年収500万~750万円未満の二人以上世帯の金融資産保有額をグラフで見ていこう。
金融資産保有額ランキング(年収500万~750万円未満、二人以上世帯)
1位 3000万円以上 13.4% 2位 1000万~1500万円未満 11.7% 3位 100万~200万円未満 10.6% 4位 100万円未満 10.3% 5位 700万~1000万円未満 9.7% 6位 500万~700万円未満 8.6% 7位 2000万~3000万円未満 8.1% 8位 200万~300万円未満 7.3% 9位 1500万~2000万円未満 5.9% 10位 300万~400万円未満 5.7%
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※金融資産保有世帯、実数1095)よりFinasee編集部作成
年収500万~750万円未満かつ二人以上世帯の金融資産保有額1位は「3000万円以上」(13.4%)だった。金額が最も大きい選択肢が最多を占めた。2位は「1000万~1500万円未満」(11.7%)。その差はわずか1.7ポイントと僅差である。
一方で3位「100万~200万円未満」(10.6%)、4位「100万円未満」(10.3%)など金融資産が200万円を下回る世帯も約2割に上る。その差は0.3ポイントとごく僅差だ。1~4位までがいずれも10%台前半で拮抗していることからは世帯によって傾向が分かれていることがうかがえる。
なお平均値は1536万円、中央値は700万円と約2倍の差がある。こちらも単身世帯の場合と同様、高額保有の世帯が平均を押し上げている可能性がある。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査
Finasee編集部
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