( 326093 )  2025/09/21 05:17:31  
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事故があった市道(3月、埼玉県川口市で) 

 

 埼玉県川口市で昨年9月、酒気帯び運転で乗用車を逆走させ、車に衝突して男性を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)などに問われた中国籍の男(19)の裁判員裁判で、さいたま地裁(江見健一裁判長)は19日、求刑通り懲役9年の判決を言い渡した。 

 

 危険運転致死罪の適用が争点だった。江見裁判長は「制御困難な高速度で運転したことと事故の因果関係が認められる」として、同罪の成立を認めた。一方、被告が他の車の安全な通行を妨害することを認識していたとする検察の一部主張については「認められない」とした。 

 

 判決は、被告が幅約2・7メートルと狭く、時速30キロに制限されている道路をアクセル全開で逆走し、交差点の進入時には時速約125キロに到達していたと指摘。「わずかなハンドルの誤操作などで道を逸脱する状況にあった」とした。 

 

 その上で、高速度で逆走したことによって被害者の車との衝突を回避することが困難になり、事故が生じたと結論づけ、「逆走してくる車を警戒することは不可能で、落ち度のない被害者の命が奪われたのは理不尽だ」とした。 

 

 弁護側は「制御可能な速度で真っすぐ進行できていた」として、保護処分を求めていたが、判決は退けた。 

 

 判決によると、被告は昨年9月29日、酒気を帯びた状態で同市仲町の一方通行を逆走。交差点で車に衝突し、同市、会社役員の男性(当時51歳)を死亡させた。 

 

 

 
 

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