( 326331 )  2025/09/22 05:09:18  
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最近の調査で、新入社員が「成果主義」より「年功序列型」を望む声が増えており、フリーランスから会社員に戻る傾向が見られる。

コロナ禍でフリーランスが増加する中、その理由は安定を求める働き方の変化にある。

フリーランスとして働く於ありささんは、収入の不安定さや職がないことへの恐れから会社員への復帰を考え始めた。

さらに、フリーランスは成長機会が少なく、自己管理や交渉能力が必要なため、向いていない人も多い。

キャリアコンサルタントは、会社員に戻るのが難しい年齢層についても言及している。

デジタル大臣は、より多様な働き方が可能になっていると考えている。

 

(要約)

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フリーランスから会社員に…なぜ? 

 

 先日、新入社員を対象とした調査で、「成果主義」より旧来の「年功序列型」を望む声が初めて上回った。背景には、若者の仕事観が“競争”から“安定”へと変化したことにあるが、働き方にも「フリーランスからの会社員回帰」の変化があるという。 

 

 働き方改革が進み、コロナ禍によりリモートワークが広がる中、国を挙げて推奨するフリーランス新法ができるなどの動きもあった。今や1300万人以上、10人に1人がフリーランスとして働く時代。こうした流れがある中で、なぜ会社員に戻る人が増えているのか。『ABEMA Prime』では、現在フリーランスから会社員に戻りたいという当事者に話を聞いた。 

 

於ありささん 

 

 フリーライターとして働く於ありささん(33)は、大学を卒業後、正社員として出版会社で編集業などに携わり、その後フリーの道へ進んだ。フリーランス歴8年目になるが、経緯について、「会社員のときに体調を崩してしまい、次の会社が見つかるまでフリーランスとして働いてみようかと思ってた」。また、当時は20代前半だったこともあり、「合わなかったら就職しよう」とフリーランスになることへの不安はなかった。 

 

 フリーランスとして働き始め、最初は理想的な働き方だと考えていたが、次第にその思いに変化が生じた。「収入が増えれば増えるほど税金が上がったり、自分のライフプランが大きく変わるタイミングで、長期的な休みを取ったときに自分の席がある保証がないことにすごい不安を感じた」。そして将来への不安を払拭すべく、転職活動を開始するも現実は甘くなく、「残念ながらどこもご縁がなく、面接したのも4社ぐらいあるが、ほとんど書類だけで落ちてしまう」と語った。 

 

 於さんは、フリーランスの不安要素として、「私ってライターしかできなくない?みたいな感じで、ずっと同じ仕事を繰り返しているのが1つある」といい、「例えば全然違うジャンルのお仕事をしたり、無茶振りされる環境はすごい恵まれてたんだと思う」。 

 

 実業家・TikTokerの岸谷蘭丸氏は、フリーランスについて「全然成長する機会がない」と断言する。「(会社は)ある程度クライアントや上司から圧力かけられて、教えてくれたり、デッドラインが絶対にあるなどの成長環境が用意されて、育てようとしてくれる。フリーランスは『これどうしたらいいんだろう?』って調べるの連続で、成長する環境がない。多分めっちゃスキルを得た後に、そこの現状維持で楽にやっていくイメージだから、自分の資産や能力が目減りしていく環境だと、10年ぐらいが賞味期限な気がしてくる」。 

 

 

森田昇氏 

 

 キャリアコンサルタントの森田昇氏は、フリーランスから会社員に戻る人は「増えている」といい、「フリーランスで稼げる人は一握りだから、技術や技能を持ってないとなかなか難しい」。会社員に戻る難易度については、「今は人手不足だから、若ければ可能だが、30代までいくとちょっと厳しいかもしれない」と述べた。 

 

 キャリアクラフト(株式会社セルパ)によると、フリーランスに向いていない人の特徴は「真面目で心配性な人」「受け身な人」「自己管理ができない、自分に甘い人」「人付き合いが好きな人」「目的意識のない人」「向上心のない人」。 

 

 アクティビスト個人投資家の田端信太郎氏は「ここに足すとしたら、『契約書を読めない人』『交渉できない人』はやめた方がいい。サラリーマンだったときに営業職やってたから、契約書は赤字を入れて返すのが当たり前だった。自分の個人会社の相手が大企業だろうが、おかしなことが書いていれば『おかしいだろ』とビシッと言えるかどうかだ。その気構えがないといけないのに、みんなサインだけして、後からぐちぐち言う」。 

 

 岸谷蘭丸氏は「強気の交渉ができないのは、アウトプットの質が低いままフリーランスになってるからだ。強気の交渉をすると、『じゃあいらないです』って言われる人がほとんどだと思う。やっぱり強者しかフリーランスにはなれない」と指摘した。 

 

 一方で、平将明デジタル大臣は、「働き方は結構選択できるようになった。1つの仕事だけじゃなくて、組み合わせもできるようになっている。私はもともと大田市場で夜勤で働いていた。夜勤やったらそれで稼げるが、そういうとこに人は来ない。ただ、夜勤をやると、その時間で稼げるから、他の副業や自分のスキルアップに時間が使える。もうちょっと広くいろんな職種を見たら、いろんな組み合わせができるはずだと思う」との見方を示した。 

 

(『ABEMA Prime』より) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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