( 326388 ) 2025/09/22 06:16:08 0 00 umaruchan4678/shutterstock.com
バブル崩壊後に就職活動をおこなった就職氷河期世代も50歳代を迎え、老後について考え始める人も多いです。
なかには、これまで子育てにお金がかかり、思うように貯蓄ができなかった世帯もあるでしょう。
では、今から老後資金をあと1000万円貯めることはできるのでしょうか。
本記事では、新NISAを活用して65歳までに「あと1000万円」を用意するために必要な毎月の積立額をシミュレーションします。
就職氷河期世代の貯蓄額や50歳代から投資を始める際に注意するべき点、老後の年金受給額なども紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは就職氷河期世代が、どのくらい貯蓄をしているのか解説します。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下の通りです。
●「50歳代二人以上世帯」金融資産保有額 ・非保有 :29.2% ・200〜300万円未満 :5.1% ・400〜500万円未満 :3.2% ・700〜1000万円未満 :5.8% ・2000〜3000万円未満 :6.3% ・3000万円以上 :10.7% ・平均値 :1168万円 ・中央値 :250万円 貯蓄額の中央値は250万円です。決して十分な金額とは言えないでしょう。
また、貯蓄ゼロの世帯も29.2%あります。一方で、貯蓄額が2000万円以上ある世帯は17%です。
世帯による貯蓄額の差が生じています。
多くの世帯では、これから老後に向けて貯蓄を用意する必要性が高いことがわかります。
50歳代は一般的に年収水準が上がる傾向にあり、子どもが独立するタイミングにきている方もいらっしゃるでしょう。
そのため、比較的投資に回せる金額が増えやすい傾向にあります。
「老後に向けた貯蓄」を加速させるのに適した時期となる方も多いです。
では、50歳代世帯が、今から65歳までに「1000万円」を新NISAでの積立投資で用意することは可能なのでしょうか。
50歳から65歳を迎えるまでの15年間で、年率3%で積立投資を続けた場合にいくら資産を築けるのか毎月の積立金額別にシミュレーションします。
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
●15年間で築ける資産額 毎月の積立投資額|15年間で築ける資産額のシミュレーション結果(元本)
・月2万円|452万円(360万円) ・月3万円|679万円(540万円) ・月4万円|905万円(720万円) ・月5万円|1131万円(900万円) ・月6万円|1357万円(1080万円) ※運用利回り年率3%でシミュレーション
新NISAを活用して毎月5万円の積立投資を続ければ、65歳までに1131万円になる可能性が期待できることがわかりました。
元本は900万円のため、新NISAでの投資により231万円も資産が増える計算です。
また、積立金額を6万円にできれば1357万円もの資産を築くことが目指せます。
先ほどのシミュレーションは年率3%の運用を前提としましたが、実際の運用における利回りは事前にわかりません。
運用成績がマイナスとなって、元本割れを起こす可能性があることも覚えておきましょう。
特に50歳代は老後までの期間が短いため、投資のタイミングによってはマイナスとなるリスクも考えられます。
ちなみに、預貯金のみで50歳から15年間で約1000万円を築くには、毎月5万6000円程の預金が必要になります。
ご自身の家計や資産全体のバランスなどによって、貯蓄や資産運用など「老後資金の準備方法」について検討することが大切です。
投資は利益が期待できる一方でリスクが伴うため、ご自身のリスク許容度を踏まえたうえで考えるようにしましょう。
ここまで老後に向けた資産運用について解説してきましたが、老後は年金をもらえます。
年金をいくら受け取れるかでも、用意するべき老後資金は異なります。
会社員や公務員としての勤務経験がある厚生年金受給者は、平均年収と勤務期間などによって受給額が決まります。
参考までに、以下の条件で年金受給額をシミュレーションしてみましょう。
・1973年生まれ ・23歳から65歳到達まで会社員として勤務 ・65歳から年金受取を開始 シミュレーションの結果は以下のとおりです。
●平均年収ごとの目安年金受給額(額面) 平均年収|年金受給額の目安(額面)
・300万円|月12万7000円 ・500万円|月16万2000円 ・700万円|月19万7000円 ・900万円|月23万4000円 平均年収300万円の人と平均年収900万円の人とでは、年金受給額に月10万円以上もの違いがあります。
受給できる年金額には個人差がありますので、ぜひ上記を参考にして老後に必要な貯蓄額を計算してみてください。
本記事では50歳代からの資産運用で1000万円を用意する方法をシミュレーションしましたが、50歳代は20歳代〜40歳代と比べリスクが比較的取りづらい年代でもあります。
そのため、投資と預金に回す金額のバランスを調整したり、リスクが低い傾向にある資産(リスクとリターンは比例する傾向にあるため、リターンも低くなります)に投資するなど、リスク許容度にあった資産運用を目指すことが大切です。
50歳代からの資産形成は、お金を増やすことだけでなく、お金を守ることも意識しましょう。
・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」 ・金融庁「つみたてシミュレーター」 ・厚生労働省「公的年金シミュレーター」
苛原 寛
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