( 326398 ) 2025/09/22 06:26:47 0 00 写真:自動車情報誌「ベストカー」
燃費性能や静粛性の高さで、多くのユーザーに選ばれているハイブリッドカー。しかし、メリットばかりではなく、見過ごせないデメリットも存在する。ここでは代表的な3つのポイントを整理してみたい。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC、トヨタ
ハイブリッドカーは、駆動用モーターやメインバッテリーといった特殊なシステムを搭載している。そのため、ガソリン車に比べて部品点数が多く、車両価格はおおむね30万〜50万円ほど高い。この価格差を燃費でペイするにはかなりの走行距離が必要。燃費がいいという理由だけでハイブリッドカーを選ぶと実は高コストということもあり得る。
また、メインバッテリーが寿命を迎えると、交換費用は20〜30万円と高額。かつては10万km前後が寿命の目安とされていたが、近年は長寿命化が進んでおり、バッテリー費用も以前よりは安心できるようになってきた。
加えて、電装品を作動させるサブバッテリーも搭載されるが、こちらは小型ながらもガソリン車用に比べて約2倍高価というのが実情。頻繁に交換する部品ではないが、燃費性能やエコカー減税の恩恵と引き換えにメンテナンスに必要な部品コストが高いことは覚えておこう。
前述したように、ハイブリッドシステムを搭載することで、車両重量はガソリン車より増加。さらに発進時はモーター駆動が加わり、低速から力強いトルクを発揮するため、ラフなアクセル操作を日常的に行っていると、タイヤへの負荷は大きくなる。
加えて、回生ブレーキの影響で空走時、制動時にもガソリン車よりフロントタイヤに負担が集中しやすく、摩耗が早まる傾向がある。加減速による影響は運転の次第で差は出るものの、車両重量そのものはどうしようもなく、ガソリン車よりもタイヤ寿命が短くなる点は覚えておきたい。
ハイブリッドカーやBEVならではの回生ブレーキと摩擦ブレーキの協調制御。減速時にエネルギーを回収するメリットがあるいっぽうで、扱いにくさを感じる人も少なくない。特に完全停止の直前に「カックン」と唐突に止まる挙動は、筆者もハイブリッドカー登場当初は不快に感じていた。
もっとも、近年のモデルは制御の見直しが進んだことでブレーキフィールが大きく改善されており、かつてのような違和感は薄れつつある。それでも、ガソリン車と比べると独特のフィーリングが残っており、乗り換えた直後には違和感を覚えるユーザーもいるはずだ。回生ブレーキによりブレーキパッドが長寿命化するメリットもあるため、さらなるフィーリングの向上を期待したい。
ハイブリッドカーには高い燃費性能、静粛性があり、日常使いでは大きな魅力を発揮する。しかし、車両価格の高さ、部品コスト、ブレーキのクセといったデメリットも存在する。購入を検討する際には、このメリットとデメリットの両面を理解したうえで、自分のライフスタイルに合うかどうかを見極めることが大切だ。
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