( 326418 )  2025/09/22 06:44:53  
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10月13日で閉幕する大阪・関西万博 

 

 2025年日本国際博覧会(通称「大阪・関西万博」)が10月13日に閉幕するまで1か月を切った。関係者を含めた総来場者数は2200万人を突破し、9月13日からの3連休前日となる12日は平日で過去最多となる総来場者数22万8057人を記録。最多は連休初日の13日で、総来場者数は23万7426人と最高値を更新した。 

 

 パビリオン入場も数時間待ちが当たり前となるなか、まさに最多来場者数をマークした12日・13日、駆け込むように万博入りする人たちは、万博についてどのような感想を持っているのか、話を聞いた。 

 

 会場の最寄り駅・夢洲駅は早朝から大混雑で、電車で来場する人たちが利用する東ゲートは6時台で長蛇の列。タクシーやバスで来場する人たち向けの西ゲート周辺も7時前の時点で、座り込みで待機する人たちなど渦を巻いていたほどだ。 

 

 会場内で取材に応じてくれた男性・Aさん(70代)は、兵庫県から夫婦でやって来たという。来場理由は「この機会を逃すと、生きている間にもう万博は行けないかもしれないから」というものだったが、この日の気温は最高34度。大きな誤算があったようだ。 

 

「こんなに人が多くて、暑いとは……。会場は日陰が少ないので、ちょっと休憩をするためには飲食をするか、大屋根リングの下まで行かなくてはいけない。そこも激戦区で、地べたに座っている人もたくさんいました。今日は熱中症にならないように気を付けます」 

 

 会場では男女ともに日傘をさしている人が多い。取材班はまさに大屋根リングの下で倒れている男性を目撃したが、救護スタッフに話を聞くと、おそらく熱中症だという。想定以上の暑さに参るAさんには、もう一つの誤算があった。「混雑のピーク」だ。 

 

「混雑するのは開幕当初だけで、会期後半にかけてだんだん人は少なくなるかと思っていたんです。まさか9月になって、ますます混むようになるとは……。もっと早くに来ていれば、もう少しゆっくりとパビリオンを見ることができたのかと思うと、時期を失敗したなという気持ちはありますが、『暑さと人ごみで大変だった』というのも、いい思い出になりそうです」(Aさん) 

 

 大阪府内在住の男性・Bさん(60代)は、「大阪」愛を語る。 

 

「東京五輪には行けずじまい。大阪で行われる巨大イベントが万博で最後になるかもと考えると、どうしても一度は行きたいと思って、来てみました。家から1時間もかからない夢洲なら、まだ気楽やしね。これまで大阪の人で行く人は少ない印象だったけど、なんか話題になってるみたいで、夏ごろから急に気になって、焦って来た。私みたいな人は多いんじゃないですか」(Bさん) 

 

 

 実際、国内から万博を目指す人は多いようで、会場内でも日本人の姿は目立った。客層は親子連れから学生、若者、シニア世代と幅広い。東京から連休を利用して来た会社員の男性・Cさん(20代)は、万博に対して最初は否定的だったが、賑わっている様子をSNSや報道などで感じて駆けつけたという。 

 

「もともと万博に行く気は全くありませんでした。お金の無駄遣いでしかなく、“カジノ誘致のための前座なんでしょ”と斜めに見ていましたね。虫がたくさん沸いているとか、トイレが使いづらいとか、パビリオンがショボいみたいなネガティブな話題をたくさん見てしまったことも、行く気が起きなかった大きな理由です」 

 

 それが前出のBさん同様、夏ぐらいから万博へ対する興味が俄然沸いてきたと話す。 

 

「万博へ行った友人や会社の同僚からの感想が、『楽しかった』、『凄い』『行った方がいい』と高評価なものばかりで、一度行ってみるのもいいかと思ったんです」 

 

 いざ会場に足を踏み入れたCさんは、「アメリカ館やイタリア館など人気といわれるパビリオン以外も十分楽しめるし、なんなら歩いているだけでも活気が感じられてよかった」と満足そうだが、マイナスの感想もある。 

 

「行った日が猛暑日だったので、とにかく暑かった。一日を楽しみたかったのですが、暑すぎて午後早々に離脱してしまいました。日陰がもう少しあったらよかったなと思います。10月に閉幕ですが、もう少し涼しくなる頃まで長くやっても人は入るのでは……という気がします。あと、周辺のホテルが高すぎる! 平日1万数千円のところが土日は4万円から6万円もしました。さすがにそれは払えないと思い、カプセルホテルをとりましたが、カプセルホテルで1万4000円でした」(Cさん) 

 

 終盤になってここまでにぎわうとは、会場周辺で働く現地の人たちも予想できていなかったようだ。府内でタクシーの運転手をしている男性・Dさん(50代)が、現地で感じていたことを明かす。 

 

「6月頃までは、正直、万博が成功するとは思ってなかったです。変化を感じ始めたのは7月半ば以降ぐらい。それまで会場では、閉場となる22時の少し前、21時50分には人がいなくなっていましたが、今は22時を過ぎてもタクシー待ちの人がいます。行き先はホテルや、新大阪駅、関西空港が多いですね」 

 

 大阪・関西万博への駆け込み需要は閉幕まで続きそうだ。 

 

 

 
 

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