( 326518 )  2025/09/23 03:41:02  
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 国土交通省は近年の猛暑を受け、同省地方整備局発注の道路舗装などの土木工事を対象に、真夏の現場作業を休む「夏季休工」を導入する方針を固めた。工期が来年夏にかかる工事から試行的に始める。今夏も観測史上最も暑い夏となるなど、工事現場での熱中症リスクは年々高まっており、工事の時間帯を早朝や夜間にずらすといった対策も取り入れ、工事現場の労働環境の改善を目指す。 

 

国土交通省 

 

 国交省によると、同省側と工事業者側が交わす契約書類に夏季休工の要件を盛り込み、両者間の協議などにより休工できるようにする。休工期間は真夏の1~2か月程度で、主に道路舗装や盛り土、埋め立てなどの土木工事の現場作業を想定。全体の工期は、休工期間も考慮して余裕を持たせて設定する。終了時期がずらせない工事や、損壊した道路の修繕といった緊急性の高い工事は対象外とする。 

 

 「夏季休工」は国交省関東地方整備局の宇都宮国道事務所が昨年から独自に試験導入しており、これまでに道路舗装や道路照明など計8件の工事で実施された。請け負った工事業者からは「社員の健康管理や働き方改革につながる」などと好評で、休工中は作業員の休暇や資材の準備などに充てたという。 

 

 今夏も国内の平均気温が観測史上最も高くなるなど、真夏の暑さは年々厳しさを増し、工事現場での熱中症リスクが高まっていることから、国交省は地方整備局全体で「夏季休工」を導入することにした。休工に伴い日雇い労働者の仕事がなくなるなどの影響も懸念されることから、まずは試行的に導入し、課題などを検証する方針。夏季の工事の時間帯を早朝や夜間にずらすなどの対策も進める。 

 

 国交省は、炎天下などでの過酷な作業が建築・土木現場の担い手不足の要因になっているとみて、「夏季休工」を地方自治体や民間業者発注の工事にも広げたい考え。同省幹部は「猛暑の中で働くのは危険で、生産性も落ちる。多様な働き方を選択できるようにして安全性を高め、担い手の確保にもつなげたい」としている。 

 

 

 
 

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