( 327148 )  2025/09/25 06:10:31  
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ずらり“路駐”トラック 2つの要因とは(今年4月撮影) 

 

 大阪市鶴見区の通称「花博通」は、駐車禁止にもかかわらず長年トラックの路上駐車が問題となっているエリアです。 

 

 半日でのべ100台が路上駐車することもあるといい、今月22日の取締りではトラック運転手10人に警告が出され、運転手3人に反則切符が交付されたといいます。 

 

 こうした取締りは度々行われているものの、後を絶たない路上駐車。その背景には一体何があるのでしょうか。 

 

“荷待ち”で路駐が常態化 

 

 路上駐車が常態化している要因のひとつは「荷待ち」です。ドライバーは指定された時間に遅れないよう、早めに到着するものの、出荷元や搬送先には待機する場所がないことも多く、やむなく周辺で路上駐車しているといいます。 

 

 国交省のアンケート調査によると、荷待ち時間の最多は1~2時間の32.4%、続いて30分~1時間が29.5%という結果となりました。 

 

長時間労働に直結 

 

 「荷待ち」は長時間労働に直結しています。 

 荷待ちがない場合の平均拘束時間が10時間38分に対し、荷待ちがある場合は12時間26分と、2時間近く拘束時間が延びていることがわかります。 

 

 流通経済大学流通情報学部の大島弘明教授は「トラック運転手は長時間労働が顕著な職業になってしまっており、人材がどんどん不足していくと、今まで通りの輸送ができなくなる懸念もある」としています。 

 

荷待ち対策は「荷主が行うべき」 

 

 解決策として、大島教授は「荷待ち対策は荷主が行うべき」と考えます。荷待ちが発生しないようなタイムスケジュールを組み、トラックが待機できるスペースを設けるべきということです。 

 

 今年4月には「改正物流効率化法」の一部が施行されました。荷待ち時間の短縮が荷主の努力義務になっていますが、あくまでも努力義務となっています。 

 

“430休憩”も路駐常態化の要因に 

 

 「430休憩」とは、4時間を超えて運転する場合は30分以上の休憩を取らなければならないという決まりです。 

 

 ドライバーの健康を守る目的で定められた規則ですが、周りに駐車場がないと逆にトラック運転手の悩みを増やす面もあります。 

 

「ドライバーが休むための駐車スペースが圧倒的に不足」 

 

 大島教授によると「問題はドライバーが休むための駐車場が圧倒的に不足している現状で、高速道路ではサービスエリアの大型貨物用スペースを増やす動きがあるが、増やす動きがあるだけでこちらも全然足りていない」といいます。 

 

 さらに一般道では全く対策が進んでいないといい、環境整備が求められています。 

 

(「newsおかえり」2025年9月23日放送分より) 

 

 

 
 

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