( 327711 )  2025/09/28 03:16:08  
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千葉県東金市の廃ホテルが「心霊スポット」として人気を集め、肝試しに訪れる若者が増えている。

しかし、この行為は不法侵入に当たる可能性があり、近隣住民からは騒音やゴミのポイ捨てに関する苦情が寄せられている。

県警は注意喚起を行い、パトロールを強化している。

廃ホテルの所有者は、計画していた利用が不可能になり、解体費用が負担となって手つかずの状態が続いている。

地元住民は騒音やゴミ問題で頭を抱えており、警察は将来的に厳正な対処を示唆している。

(要約)

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壁に落書きされ、天井も崩れた廃ホテルの建物(20日、千葉県東金市で) 

 

 外壁が崩れてむき出しになった階段、内壁の至る所にスプレーで書かれた落書き――。千葉県東金市にある廃ホテルがネット上で「心霊スポット」と話題になり、肝試しに訪れる若者が後を絶たない。不法侵入にあたる可能性があるほか、近隣住民から騒音やごみのポイ捨てなどの苦情が相次いで寄せられ、問題となっている。県警は「絶対に行かないでほしい」と注意喚起し、見回りを強化するなどしている。(吉持稀紘) 

 

 「(廃虚に)男性2人が入っていった」と110番があったのは、すっかり夜が更けた15日午前0時10分頃。通報を受けて東金署員が向かったのは、若者の間で「ホテル活魚」と呼ばれる廃ホテルだ。 

 

 現場に到着すると、敷地内から10~20歳代の男女計8人がぞろぞろと出てきた。署員が「これは犯罪になる可能性がある。人生を台無しにするな」と注意すると、若者らは「もう絶対に来ません」と言い残し、去っていった。 

 

破壊された入り口のバリケード(3日、千葉県東金市で) 

 

 県警は特に、夏休みまっただ中のお盆時期や週末の8月15、17、23、24、30日のパトロールを強化した。5日間にこの場所を訪れたのは計約150人。ほとんどが10~20歳代の若者だった。 

 

 未成年者を保護者の承認や正当な理由がなく、深夜に連れ回したとして、30日には成人の男1人が県青少年健全育成条例違反容疑で検挙された。 

 

 廃ホテルの建物を所有しているのは、乗馬体験事業などを展開する県内の会社。千葉東金道路東金インターチェンジから近いというアクセスの良さに着目して、同社が2011年7月、敷地全体を乗馬クラブにするために購入した。 

 

 同社の担当者によると、建物を改装し、利用者のクラブハウスとして使用する予定だった。だが、何者かによって電気配線が盗まれたり、不審者によるとみられるぼやが発生して焼け跡が残ったりして、使用が困難になった。 

 

 建物を解体しようにも費用が重くのしかかり、購入から十数年、手つかずの状態が続く。 

 

 「関東最恐(さいきょう)心霊スポット」「2階の奥の部屋で女性の霊と目が合った」――。ネットやSNSにはいつしかこうした書き込みが相次ぐようになり、多くの若者が深夜、肝試しに訪れるようになった。 

 

 

 近くに住む70歳代男性は「夜中に10人以上のグループが騒いでうるさい。窓を閉めて寝ていても、話し声で起きることがある」と嘆く。ごみのポイ捨てもひどく、「酒の缶やたばこの吸い殻など、色んなごみが捨てられる。拾っても拾ってもきりがない」と憤る。 

 

 同社は入り口にバリケードや人感センサー付きの赤色ランプを設置したが、全て破壊されたという。 

 

 東金署は引き続き見回りを強化するほか、X(旧ツイッター)上でこう注意を呼びかけている。 

 

 「法律に抵触するだけでなく老朽化による崩落の可能性もあり大変危険! 単なる好奇心から事件事故に発展するとしても、あなたは廃虚に侵入しますか?」 

 

 同署の内間康二朗生活安全課長は「悪質性が確認されれば厳正に対処する」と話している。 

 

 

 
 

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