( 327768 )  2025/09/28 04:21:53  
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記者団の取材に答える維新の吉村代表(26日、大阪府庁で) 

 

 日本維新の会で、自民、公明両党との連立協議に前向きな発言が相次いでいる。社会保障改革や災害時に首都圏機能を代替する「副首都構想」などの実現を与党に迫る好機と捉えているためだ。維新内には連立入りに慎重論もあり、党内の意見集約には曲折も予想される。 

 

 「公約の実現が政党として最も大事だ。しっかり考えて行動したい」 

 

 吉村代表(大阪府知事)は26日、府庁で記者団にこう強調し、自民新総裁から連立入りの協議に関する打診があれば、応じる考えを示した。藤田文武共同代表も「交渉のテーブルにつくことは当然だ」と語り、少数与党下での連立協議に前向きな発信が続いている。 

 

 両氏が連立入りの「絶対条件」に掲げるのが、社会保障改革と副首都構想だ。 

 

 社会保障改革は、2025年度予算への賛成と引き換えに、現役世代1人あたり年6万円の社会保険料引き下げを与党に求めたが、協議は停滞している。副首都構想は看板政策「大阪都構想」の延長線上と位置づけており、大阪選出議員に実現を求める声が多い。 

 

 8月に発足した新執行部は、総裁選に合わせるように、憲法改正や外国人政策に関する提言をそれぞれ今月とりまとめた。藤田氏は「憲法、安全保障、外交などの基本政策は自民と近い」と親和性をアピールする。 

 

 馬場伸幸・前代表や中司幹事長ら自民の地方議員出身者が多いことも、連立論が広がる一因になっており、自民出身の維新議員は「与党になって公約を実現していけば、党勢低迷を打開できる」と打ち明ける。 

 

 もっとも、大阪以外の議員には「地域政党に回帰するのか」と連立入りに反対する意見も少なくない。今月には、執行部の与党寄りの姿勢に反発して離党届を提出した衆院議員が除名処分となったばかりだ。 

 

 維新では、昨年の通常国会で、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)改革を巡り、自民と交わした合意文書が反故(ほご)にされた苦い経験がある。自公との選挙区調整なども課題となりそうで、維新中堅は「再び自民にだまされるわけにはいかない」と執行部に慎重な対応を求めている。 

 

 

 
 

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