( 328056 )  2025/09/29 05:16:30  
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無償でコメを手に入れている家庭が意外と多く、2023年度の調査では15.3%、2024年9月には20%に達することが分かりました。

主な入手経路はスーパーマーケットで約50%を占め、その他インターネットショップやドラッグストアなども上位に挙げられています。

「縁故米」と呼ばれる無償のコメは、実家や親戚、友人から送られるもので、2011年には23.5%の家庭が利用していましたが、現在は減少傾向にあります。

また、価格調査ではディスカウントストアが安いものの、最近は生産者からの直接購入が最も安くなってきています。

(要約)

( 328058 )  2025/09/29 05:16:30  
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無償でお米を手に入れている家庭は意外と多い? 

 

 コメが高い、何とか安く手に入らないか。そう思う人も多いだろうが、じつはただでコメを手に入れている家庭が十数%近くあることが、公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の調べで分かっている。 

 

■入手経路で最も多いのはスーパー 

 

 コメの消費動向を調査している農水省外郭団体の同機構は2011年(平成23年)から、精米購入時の動向を調査項目にしている。入手経路を複数回答で聞く。購入する場所で最も多いのはスーパーマーケットで全体の50%程度あり、この傾向は現在も変わらない。入手経路はほかにインターネットショップ、ドラッグストア、生協などが上位にある。生産者からの直接購入は、4~5%である。 

 

 目を引くのは「家族・知人などから無償で入手」だ。ただでコメを手に入れている家庭が2023(令和5)年度は15.3%。2024(令和6)年9月の調査結果では20%とある。 

 

 最新版は2025年9月25日発表の令和7年8月分だが、月ごとの割合は12~13%で推移している。 

 

 同機構に聞いてみた。ただで入手するコメは、いわゆる「縁故米」と呼ばれるそうだ。実家、親戚、友人など農家から送ってもらうコメである。 

 

 この調査が始まった2011(平成23)年を見ると、「縁故米」を入手する家庭は23.5%だった。農家が減ったことなどで、現在は縁故米の割合は減っているものの、2024年9月の20%という数字にはやはり驚かされる。5軒に1軒は「無料で」コメを手に入れていることになる。9月は新米が出はじめる頃である。 

 

 たとえば、新潟出身の女性は毎年実家からコメを送ってもらっているが、夫の実家である秋田からもコメが来る。コメの品種は違うが、コメのありがたみを噛みしめているという。 

 

 江藤拓前農水相は「コメを買ったことがない」と話して辞任に追い込まれた。これも「縁故米」の話だ。 

 

 同調査では「精米購入経路別の購入単価」も調べている。どこで買うのが安いかである。キログラム当たりいくらかで算出している。 

 

 安いのはディスカウントストアである。2023(令和5)年度で見るとディスカウントストアの価格は325円(キロ当たり)で、生産者からの直接購入のほうが338円(同)とちょっと高い。意外に安いのはドラッグストアで、361円(同)。 

 

 ところが、コメ不足が騒がれ始めた2024(令和6)年になると変化してくる。生産者からの直接購入が圧倒的に安い。同年10月で比較すると、ディスカウントストア577円(同)、ドラッグストアが582円(同)に対して、生産者からの直接購入は381円(同)である。3割以上安い。この傾向は2025(令和7)年度も続き、令和7年8月の統計では、ディスカウントストアが606円(同)に対して、生産者からの購入は496円(同)と、かなりの差がある。もちろん、それより安い縁故米にはかなわない。 

 

(リサーチ班) 

 

 

 
 

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