( 328271 )  2025/09/30 04:58:29  
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国内の金地金の価格が29日、初めて1グラム=2万円を超えた。

これは米連邦準備制度の利下げ再開と地政学的緊張の影響で、金が安全資産として人気を集めているため。

田中貴金属工業は値上げを行い、国際的な金先物価格も高値圏にある。

利下げは金価格を押し上げる要因となり、またウクライナ情勢や中東の緊張も金の需要を刺激している。

楽天証券は年内に金価格がさらに上昇する可能性を指摘している。

(要約)

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個人投資家の購入が増えている金地金=24日、東京都中央区 

 

国内の金の店頭販売価格が29日、初めて1グラム=2万円を超えた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ再開で運用先としての魅力が向上したことに加え、地政学的な緊張感が高まっていることで「安全資産」とされる金が投資マネーの逃避先となっている。 

 

地金大手の田中貴金属工業(東京)は29日午前、金の店頭販売価格を1グラム=2万18円に設定。午後には2万133円に引き上げた。9月初めに1万8千円台を突破してから、約1カ月で2千円超の上昇となった。国際的な金先物価格も最高値圏で推移する。 

 

金価格の押し上げ要因の一つが、FRBの利下げ再開だ。金はどの国の信用とも無関係で金利を生まない。このため世界最大の基軸通貨である米ドルの金利低下は、金価格の上昇要因となる。 

 

地政学リスクの高まりも金価格高騰に拍車をかける。ロシアに侵略されているウクライナ情勢は停戦の見通しがつかず、中東地域では核合意に違反したとしてイランへの国連制裁が再び発動された。こうした中、米国と緊張関係にある国の中央銀行が米国債を手放す代わりに金の保有を積み増している。 

 

今後の見通しについて、楽天証券の吉田哲コモディティアナリストは「世界情勢のリスクが変わらず、米国の利下げが行われるならば、年内にも1グラム=2万2千円に到達する可能性がある」と分析している。(久原昂也) 

 

 

 
 

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