( 328303 ) 2025/09/30 05:36:23 0 00 みずほ証券の浜本社長 Photographer: Ryo Horiuchi/Bloomberg
(ブルームバーグ): みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ証券は、富裕層向けビジネスの強化に乗り出す。営業人員の約半分を富裕層担当へと重点的に再配置し、業界首位の野村ホールディングス(HD)を追い上げる。
浜本吉郎社長がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。総資産5億円以上の顧客層を主な対象に、今後数年でリテール・事業法人部門の営業員を再配置する。現在の人員数は明らかにしなかったが、本社勤務の一部担当者を営業員として支店に配置転換する方針も示した。
みずほ証券では企業の資金調達などを手掛けるグローバル投資銀行と、市場取引などで稼ぐグローバルマーケッツの両部門が業績拡大をけん引し、国際市場でも存在感を増している。一方で国内リテール部門のてこ入れが課題となっていた。
野村証券で常務執行役員を務めた湯原裕二氏を採用し、4月から常務執行役員リテール・事業法人部門長に起用した。すでに同氏を含む複数人材を獲得したという。野村証券の手法も研究しつつ、みずほFGの強みである銀行、信託、証券の連携で富裕層ビジネスの強化を図る。
浜本氏は「野村さんから見習うところは見習い、野村さんができない、みずほ証券独自の戦い方で追いついていきたい。質と量を上げていく」と強調した。
リテール部門の顧客預かり資産は、野村HDの約153兆円に対し、みずほ証券は49%を出資する楽天証券分も含めて約98兆円と大きく水をあけられている。
総資産5億円以下の顧客に対しては、これまでの顧客データを活用し、コールセンターを中心とした営業やコンサルティングに切り替えていく方針だ。将来的には支店網の集約も検討する。総資産数千万円以上の顧客層には、みずほ証券と楽天証券が共同出資する「MiRaiウェルス・パートナーズ」がアドバイスなどを提供する。
中国ビジネスは中長期的な視点で
みずほ証券の海外事業は米州は好調だが、欧州とアジアでの収益規模拡大が課題となっている。浜本氏は「中国は世界2位の資本市場。同国を含めたアジアをしっかり強くしていく」と述べ、中長期的な視点で収益を確保していきたい考えを示した。同証券では2024年6月、中国当局に証券会社設立を申請したと発表しており、現在許可が下りるのを待っている状態だ。
中国ビジネスでは債券を軸に付加価値の高い資金調達や運用などのサービスを中国国内外の発行体や投資家に提供する計画を掲げている。浜本氏は中国を含めたアジアでの事業展開について、「強みである銀行・証券が一体となって、商流をつかみたい」と語った。米州などでは「みずほブランドで、モルガン・スタンレーやJPモルガン・チェースといった巨大投資銀行と対抗していく」と意欲を示した。
今月発表された三井住友FGと米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループの日本株事業統合については、みずほ証券は債券引き受け(DCM)に強いと自負する一方、ジェフリーズと競合する株式引き受け(ECM)でも「負けないようにしたい」と述べた。
(c)2025 Bloomberg L.P.
Ryo Horiuchi, Taro Fuse
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