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内定式が多くの企業で行われ、新卒採用が学生優位の「売り手市場」になっている中、企業も内定者の辞退を減らそうと連帯感を強める取り組みを実施している。

みずほフィナンシャルグループでは、内定者約1千人が折り紙でハートを作るギネス記録に挑戦し、入社意欲を高める狙いがあった。

また、東京ガスネットワークではボッチャ大会を通じて親睦を深めるイベントを開催した。

さらに、内定率は94.8%に達し、学生が企業を選別する場として内定式の役割が変化してきている。

内定式は「就活の最終決戦の場」となりつつあることが指摘されている。

(要約)

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折り紙でギネス記録に挑戦するみずほグループの内定者たち=2025年10月1日、東京都港区、宮川純一撮影 

 

 来春入社予定の大学生らを対象にした内定式が1日、多くの企業で開かれた。深刻な人手不足で新卒採用が学生優位の「売り手市場」となるなか、企業は辞退者を減らそうと内定式でも連帯感を強めるための取り組みに力を入れている。 

 

 みずほフィナンシャルグループがこの日都内で開いたグループ5社合同の内定式には約1千人が参加し、一斉に折り紙でハートを作った枚数を競うギネス記録に挑戦した。内定者が同じ作業に取り組むことでつながりを深めてもらい、「入社の決意を新たにしてもらう」(広報)狙いがあるという。内定者の岡柊太さん(21)は「みんなでギネス記録を達成でき、入社後にワンチームで働くイメージができた」と話した。 

 

 障害があっても楽しめるよう考案されたスポーツを取り入れたのが、東京ガスの子会社でガス管の維持管理を担う東京ガスネットワークだ。この日の内定式でボッチャの大会を開いた。6球ずつ投げ合い、目標球にどれだけ近づけたかで競う。担当者は「内定者同士の親睦を深め、入社意欲を高めてもらいたい」と話す。 

 

■内定式が『最終決戦』の場に 就活期間の二極化も 

 

 インディードリクルートパートナーズによると、9月1日時点の内定率は94.8%で、現行の採用スケジュールとなった2017年卒以降で最も高い水準だ。企業の採用意欲の高まりから、同日時点で複数の企業から内定を得た学生も64.6%にのぼる。 

 

 学生優位の「売り手市場」が強まるなか、学生と企業の双方にとって内定式の位置づけは変化しつつある。調査機関のABABA総研によると、従来は内定者を拘束することで入社の意思を最終的に確認する色合いが強かったが、近年ではその会社が実際に働くのにふさわしいかどうか見極める場ととらえる学生が増えているという。担当者は「企業を選別する『就活の最終決戦の場』になっている」とみる。 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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