( 328918 )  2025/10/03 03:08:03  
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ゆうちょ銀行の封筒も大量出品(メルカリのサイトから) 

 

 銀行のATMコーナーなどに置いてある現金用の封筒が、大手フリマサイトやオークションサイトで大量に転売されており、このことがXで取り上げられて、驚く声が上がっている。 

 

 無料で配布しているものだが、最近見つからないのはこのためかと困惑する声も出ている。ゆうちょ銀行では、「大量の持ち去りが発生している例がある」と取材に答え、「必要以上の持ち去りや転売行為は控えていただきたい」と呼びかけた。 

 

■「こんなん誰が使うんや」「無いと不便なんだよね」 

 

 「銀行 封筒」とメルカリで検索すると、ゆうちょ銀行や地銀などの封筒がいくつもヒットする。 

 

 例えば、ゆうちょ銀行の封筒は、40枚が税込み300円で転売されており、すでに売り切れていた。「新品、未使用品」とあり、ATMで現金を引き出すときに使ったものではなかった。出品者が送料210円を負担しており、利益は数十円ほどだった。 

 

 また、人気ゲームキャラがデザインされたある封筒は、20枚1100円で転売されるなど、その希少性によって価格が分かれていた。 

 

 ヤフーオークションでも、銀行の封筒が大量に出品されていた。地銀の封筒をたくさん揃えたものもあり、コレクション性を考慮したケースもあるらしかった。 

 

 銀行の封筒が転売されていることは、2025年9月30日にX上で指摘があり、まとめサイト「togetter」にも取り上げられて、大きな話題になった。 

 

 各行やコンビニのATMで無料配布されている封筒だけに、「こんなん誰が使うんや」「買うのは一体どういう層なの」などとまず驚く声が上がった。大量転売されていることは、大量持ち出しの可能性もあるため、「それでなくなったのか」「無いと不便なんだよね」と困惑する声も漏れていた。 

 

 銀行側も、封筒を置かないようになるのではないかとの声も出て、「無料サービスが消えていく」「一部の迷惑者のせいで皆が不幸になる」との嘆きも出ていた。 

 

 

 封筒を無料配布しているゆうちょ銀行の広報部は10月2日、J-CASTニュースの取材に対し、大量持ち去りのケースがあるのかについて、メールでこう回答した。 

 

「大量持ち去りを明確に確認した事例はございませんが、封筒が通常よりも早く減ることを社員が確認したり、お客さまから封筒がないとご申告いただく状況から、大量の持ち去りが発生している例があると考えております」 

 

 いつごろから持ち去りが目立つようになったのかについては、「時期について明確にお答えできる記録等はございませんが、ここ数年ではなく、それ以前から発生していたと認識しております」とした。 

 

 持ち去りや転売の行為については、次のような見解を示した。 

 

「封筒はATMをご利用のお客さまの利便性を考慮し無料で提供をしているものです。封筒を必要とするお客さまに便利にお使いいただきたいため、必要以上の持ち去りや転売行為は控えていただきたいと考えております」 

 

 大量に持ち去られないための対策などは考えているかは、こう述べた。 

 

「ご利用のお客さまの利便性を考慮し無料で提供をしているため、有効な対策は難しい面がございますが、注意喚起の掲示等を検討してまいります」 

 

 なお、ATMの現金用封筒をめぐっては、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献などを理由に、地銀を中心に廃止の動きが出ている。 

 

(J-CASTニュース編集部 野口博之) 

 

 

 
 

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