( 328998 )  2025/10/03 04:40:17  
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高市早苗氏 

 

 自民党総裁選(9月22日告示、10月4日投開票)はいよいよ最終盤を迎えている。唯一の女性である高市早苗元経済安保相は現時点で2位の確率は高く、決選投票に進んでも1位の候補をオーバーテイクできないと見られている。このまま行けば昨年同様、総裁選に連敗することになる高市氏の“苦戦”について少し早いが”フライング”気味に分析してみよう。 

 

 昨年の総裁選で高市氏は1回目の投票で1位となったが、決選投票で石破茂氏に逆転されて涙をのんだ。1回目は高市氏:議員票72、党員・党友票109、石破氏:議員票46、党員・党友票108だったが、決選投票で石破氏:議員票189、都道府県連票26、高市氏:議員票173、都道府県連票21と覆った。 

 

「去年の総裁選後、高市氏は“自分に何が足りなかったのか”について深く考えてきたと聞きました。が、欠点とされる部分を改善することはできていないように見えます。1年という時間では短く難しかったということなのかもしれません」 

 

 と、政治部デスク。 

 

「高市氏をめぐっては“カネを使わない、面倒を見ない、横柄だ”などといった評が聞こえてきます。もちろん高市氏寄りの層からはそうではない意見になるのかもしれませんが、こうした点においては石破茂首相に似たところもあるということで“オンナ石破”などといった呼ばれ方もしていますね。幅広く交際して党内に味方を増やす動きをしているとも聞こえてきませんし、総裁候補になって以降、居丈高になったとの指摘もあります。何となく“オヤジ殺し”なキャラクターでサバイブしてきた印象が強いのですが、そういった見られ方からは距離を置きたい様子もうかがえます」(同) 

 

 もちろん同情的な意見もあるようで……。 

 

「本当に体調は悪いと聞きました。かなり痩せていて覇気がないようにも映ります。夫・山本拓衆院議員が脳梗塞で倒れた影響は小さくないようです。妻として介護に努めているそうですから。その経験もまた議員としての厚みにはなるとはいえ、 無理せず1回休みでも良かったと思います。が、本人にとっては前回の敗戦を受け入れがたかったのでしょう」(同) 

 

 一国のトップに立とうとする者が健康面などを言い訳にはできないのは自明のことだ。 

 

 

 総裁選を意識しすぎたのか、高市氏は参院選投開票日の2日前の7月18日、「私なりに腹をくくった。もう1回、党の背骨を入れ直す。そのために戦う」と応援演説で発言。必達目標に掲げられた「自公で過半数」を獲得できないのを見越し、「ポスト石破」への意欲をにじませたと受け取る向きもあった。意思表示にはちょっと早すぎたということで永田町では、“フライング早苗”などと呼ぶ人も出てきた。 

 

 それでも、今回の総裁選でも決選投票には残りそうだから、人気は高い。しかし結果的には小泉進次郎農水相の後塵を拝して終わりそうだと予想される。 

 

 局面の打開をはかり、9月30日、高市氏は自民の麻生太郎最高顧問と会談し、総裁選での支援を求めたとされる。 

 

「麻生氏は去年の総裁選では高市氏を支持しましたし、唯一の派閥として残存しているため、頭を下げ続けるのは理解できますが、麻生氏がこれを受けて 43 人いる所属議員の多くを高市氏支持に差し替える可能性は低いと見られています。総裁選後も自民党最高顧問としての権勢を維持すべく、派閥議員の票を各候補に振り分ける“全方位外交”の戦略をとっていますから 」(同) 

 

 今回の総裁選を終えても、「自分に何が足りなかったのか」という自問自答は続くのだろうか。 

 

デイリー新潮編集部 

 

新潮社 

 

 

 
 

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