( 329163 ) 2025/10/04 03:00:28 0 00 小川市長
前橋市の小川晶市長(42)がラブホテル通いを釈明した10月2日の市議への説明会の場で、来年の成人式前まで辞職するかどうかの結論を出さない可能性があることを示唆した。早期に辞職する意思はないとみられる。説明会では、ホテルへ一緒に行った部下職員X氏の代理人の弁護士が現れ、「ホテルは私が誘った」とする男性のコメントを読み上げていたこともわかった。
2日の説明会は、市長の要求でメディアを排除して行なわれた。そこで終了後、富田公隆市議会議長が2時間続いた質疑を自ら書きとった数十枚のメモを手に、メディアに内容を説明した。
それによると、今回の騒動における市長とX氏の責任割合をどう考えるかとの市議の質問に対しては、小川市長が「10-0ですべて私が悪い」と答えたという。
いっぽうでX氏も「自分が全部悪い」と小川市長をかばっていることが初めて分かった。参加した市議が証言する。
「説明会にはX氏とその奥さんの代理人を務めているという弁護士も出席しました。群馬県弁護士会の幹部も経験した凄腕で知られるその弁護士は『依頼を受けた経緯をお伝えします』と切り出し、『自分は元々小川市長と親しく、市長から話が来て依頼を受けたが、形式上はX氏からの依頼として受任した』という趣旨の説明をしました」(市議)
小川氏とX氏の関係が問題視されるなかで、小川氏から話を受けた弁護士がX氏の妻の代理人になるのは「利益相反になるのではないのか」との質問も市議の中から出たという。
「それは違うと否定した弁護士が、X氏のコメントとするものを読み上げたんです。それは『ホテルは私が誘いました。全部悪かった。市長はすぐ泣いちゃうからホテルがいいと思った』という内容でした」(同市議)
問題発覚後、X氏のコメントが表に出たのは初めてとみられる。
この主張は、問題発覚当日の9月24日に市長が記者会見で、ホテルへ行こうと言い始めたのがどちらかと聞かれたのに対して「職員(X氏)です」と答え、「(自分は)感情がでて泣いてしまったりということができなかったので、そういった心の中のもやもやしていることを職場内で聞いて頂いた」と説明した内容に沿うものだ。
そのX氏はNEWSポストセブンが問題を報じる2日前に自ら降格を願い出ていたと、市の幹部は2日の説明会で説明した。
これについて別の市議は「X氏は“処分された”との見方が一部で出ていましたがちょっと違いますね。X氏は取材や報道にかなりまいっているらしく、市はX氏を守るため表に出さないポジションに移したと理解しています。辞められるのを防ぎたいという考えもあるかもしれません」と話す。
もっとも、市長が対外的な行事参加をすべてキャンセルするという混乱に追い込まれた前橋市にとって、“どちらがホテルに誘ったのか”などはもはや些事にすぎず、最大の関心事は言うまでもなく小川市長の進退だ。
市議会では早期辞職を求める空気が強まっているが、小川市長が2日の説明会で、少なくとも早期に辞職する意思はないことをうかがわせる発言をしていたこともわかった。出席した市議が話す。
「会では、“この問題をいつまでに収束させるつもりなのか日程を決めてほしい”との要求が出ました。これに『少し考えさせてほしい』と答えた市長に、『最優先事項じゃないか』と追及の声が上がったんです。そしてある議員が『成人式までかかるのか』と詰め寄りました」(市議)
なぜ成人式なのか。
「前橋市長には戦没者追悼式と前橋まつり、成人式という絶対に休んではいけない三大行事があるんです。市長はことし9月20日に挙行された戦没者追悼式を欠席しました。NEWSポストセブンの取材を受けた直後だったので、いつ記事が出るか分からないと考えたのです。10月12、13両日の前橋まつりも出席しないことを決めています。
残されたのは成人式だけなのですが、そこで市長は『成人式までにはなんとかしたい』と答えたんです。その発言で、(少なくとも早期に)やめる気はないのではないかと多くの議員が受け止めました」(市議)
小川市長の言動は市長としての資質とモラルが問われるが、“被害”を受けたとして責任を追及できるのはX氏の妻だけという状況だ。強制的な退場につなげられる、市議会による不信任議決も「刑事責任(に問われること)がないとなかなか難しい」と富田議長自身が認めている。
県内の立憲民主党関係者は「市長は自分で辞めない限り辞めなくていい状況で、第三者委員会で違法行為が認定されたり、刑事告発されたりしている他の地域のトンデモ首長とは状況がちがう。小川さん自身、弁護士なのでそのあたりのことはよくわかっているはずです」と指摘する。
さらにこの関係者は、群馬県政界での小川市長の“重み”を解説する。
「群馬県では参議院副議長まで務めた角田義一さんが旧社会党時代から大きな存在感を持ち、立憲民主党でも県の党組織の“象徴”となってきました。小川さんの後ろ盾でもあった角田さんは昨年2月、小川市長の初当選直後に亡くなりました。
その後は立民の県組織にとっては県庁所在地のトップである小川さんは最後に残された求心点なんです」(同関係者)
市議会は3日、小川市長に対し、自らの進退を速やかに決断して明らかにすることを求める「申入書」を提出した。世間の目は、市長がいつやめるのかの一点に向いているが、小川市長の決断は果たして……。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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