( 329178 ) 2025/10/04 03:18:20 0 00 日テレNEWS NNN
自民党総裁選挙は4日が投開票日です。決選投票が確実と言われる今回の総裁選。政治部官邸キャップの平本典昭記者が決選投票の展開を徹底分析します。
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──まず、一番可能性が高い組み合わせは、誰と誰ですか?
「小泉進次郎氏、高市早苗氏の対決」という声が多いです。さらに、その場合、「小泉氏が優位」との見方が多く出ています。なぜか。これまでの取材で見えてきた自民党内の情勢を分析してみたいと思います。
決選投票で勝敗のカギを握るのは「麻生派」「旧岸田派」「林芳正氏陣営」「小林鷹之氏陣営」「茂木敏充氏陣営」の5陣営のです。なぜこの人たちなのか。それは票を「塊」で持っているため、味方に付ければ1票1票でなく「ごっそり」票を獲得できるからです。
まずは、唯一残る派閥のトップ「麻生太郎・最高顧問」。そして、旧岸田派のトップ「岸田文雄・前総理」です。この2人が「この候補に投票を」と決めれば票が「ごっそり」動く力があるとみられています。
さらに、仮に決選投票が高市氏と小泉氏の組み合わせになれば、残念ながら残れなかった3陣営の票がどちらに流れるかが、ポイントとなります。
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では、分析していきましょう。
(決選投票が)高市氏と小泉氏の場合、岸田氏は小泉氏に、そして、林陣営も小泉氏に票が多く流れるとみられています。
小林陣営の票はどうか。陣営幹部は「世代交代という点で小泉氏、保守的なスタンスという点で高市氏。半々くらいだろう」と、割れるとみられています。
現時点の分析では、小泉氏サイドに流れる議員が多く、小泉氏「優位」とみられていますが、まだ、態度がわからない…去年、高市氏を支援した麻生氏、そして、茂木氏らの行動次第では、状況が変わる可能性もあります。
──去年の総裁選も、高市氏は1回目の投票で党員票は1位でしたが、決選投票で石破氏に敗れましたよね。
実は、取材をしていると自民党内に「高市氏はちょっと…」という議員が少なくない、と感じます。どういうことかというと「高市氏の過激な保守的なスタンスは受け入れられない」という声があります。ある総理経験者は「高市氏が総理になれば、中国との関係などが悪化する。高市総理だけはダメだ」などという指摘があります。
「この人がいい!」という声も大事ですが、「この人だけダメだ!」という声が決選投票では大きな影響が出るといえます。
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──他の組み合わせはどうでしょうか。
他の組み合わせとしては、高市氏と林氏の場合があります。この2人の場合、岸田前総理、さらに小泉陣営のほとんどが林氏支援に回るとみられます。「高市氏はちょっと…」という議員が多いといえます。
では、小林陣営はどうか。割れるとみられますが、ある陣営幹部は「保守的な立場が共通する」ので、高市氏に回る議員が多いのではと分析しています。ここでも、麻生氏、茂木氏は読み切れないのですが、党内からは「林氏優位」という声が多く出ています。
ただ、このパターン、今の時点では「可能性は最も低い」とみられています。
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──では、最後のパターン小泉氏、林氏のケースはどういう展開になりそうですか?
この、小泉氏と林氏の対決の場合、「予想が最も難しい」と言われています。
まず、唯一、麻生氏は林氏と距離があるため、小泉氏支援に回るとみられます。
最も立場が難しいのが、岸田前総理です。なぜか。林氏は旧岸田派である一方、小泉氏の陣営では、幹部を岸田氏の側近議員が務めているんです。旧岸田派の人間が林陣営、小泉陣営両方に深く関わっているので、岸田氏はどちらか一方を選びづらいんです。岸田氏は周辺に「この2人の決選投票の状況は考えたくない」と漏らすなど「つらい立場」となりそうです。
それに加え高市陣営、小林陣営、茂木陣営の動きも予想が難しく「どちらが勝つか予想が難しい」展開になるといえます。
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──いよいよ総裁選があす(4日)に迫ります。今回の総裁選、「
」と、自民党がテーマとして掲げていますが、唯一残る派閥の麻生氏のところを各候補者が訪問している様子などを見ると、本当に変わるのかな…という気もしますね。
党内の若手からは「解党的出直しといいながら、時計の針が戻っている」という声も出てきています。
──そういうなかで、総裁は誰になるか、そして自民党は本当に変われるのか。そういった点も注目されます。
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