( 329238 )  2025/10/04 04:27:32  
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京都大大学院教授の藤井聡氏 

 

4日に行われる自民党総裁選を巡り、誰が新総裁に選出されるかによって次期衆院選で自民・公明両党の獲得議席が大幅に変動するというシミュ―レーション結果を、京都大大学院の藤井聡教授が公開した。自公の現有220議席(自196+公24)は、高市早苗前経済安全保障担当相が選出された場合は250議席に増える一方、小泉進次郎農林水産相の場合は188にまで激減すると試算した。藤井教授は、「小泉氏を選ぶ自民議員は自らの議席を危うくすることになる」と“警告”している。 

 

藤井教授は、京大の研究室が9月に実施した「自民党支持・経験者」2000人を対象にした意識調査をもとにシミュレーション。X(旧ツイッター)などで10月1日に公開した(藤井教授のX)。 

 

■昨年の総裁選で党員は「民意を裏切られた」 

 

藤井教授はまず、自民支持層の支持離れの一因が、石破茂首相が選出された昨年9月の自民総裁選にあると指摘する。「党員票で高市氏がトップを取っていたにも関わらず、決選投票では、岸田文雄前首相の号令によって石破氏に票が集まった」ことを挙げ、「石破総裁誕生を促した岸田氏らの振る舞いを、多くの党員や国民は民意に対する裏切りと捉えた。それまで40%前後を推移していた党支持率が30%を割り込むまで下落した」と解説。こうした「裏切りにより、自民は3~4割もの支持を失った」と結論づけている。 

 

京大の研究室の調査では2019年の参院選以降、一度でも自民に投票したことのある「支持経験者」のうち、今年7月の参院選では国民民主党、参政党、日本保守党といった「保守野党」に投票した人の16%が自民を支持しなくなった理由として、「高市氏が総裁選で敗れたこと」を理由に挙げている。 

 

藤井氏は「(自民党員は)高市氏を選んだのに、議員たちは気持ちを踏みにじったと感じた。(4日の自民総裁選で)高市氏が党員票トップで総裁になれないといったことがもう一度繰り返されれば、党は支持者から三行半(みくだりはん)を突き付けられるだろう」と指摘。それにより「自民支持率は2割を割るまで落ち込む」と予測する。 

 

■「高市総裁」では「自民を離れた支持者の3分の2が戻る」 

 

 

藤井教授は、こうした予測と調査結果のデータをもとに、自公の現有220議席が次期衆院選でどうなるかをシミュレーションした。前回の衆院選(自公247議席)当時の自公支持率40%が、現在は30%にまで下落していることから、次期衆院選ではまず247議席の4分の3にあたる約185議席という数字を基準に設定。そこから、総裁候補別の要素を加味した。 

 

その結果、高市氏が総裁の場合、「離れた支持者の3分の2が戻る」という予測から、自民の現有196議席が226議席に増加すると予想されると説明した。一方、小泉氏か林芳正氏が総裁の場合は、高市氏の約7割にあたる164議席に激減すると予測している。 

 

藤井教授は「総裁選で小泉氏が選ばれれば、高市氏の場合に比べて62議席も失われる」と指摘し、「自民議員が小泉氏を選ぶことは、自分の議席も危うくすることになる」と話す。その上で「日本のための総裁を選ぶことが国民支持を促し、自身の議席の獲得可能性を引きあげる効果がある」と促している。 

 

 

 
 

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