( 329623 ) 2025/10/06 03:24:59 0 00 市議会への説明に臨んだ小川市長 ©︎時事通信
小川晶・前橋市長(42)による市役所幹部との「ラブホテル密会」問題に揺れる前橋市政。市議会が3日、「進退を速やかに決断して」とする申し入れを小川市長に行う一方で、「市長は内部リークで攻撃された」と唱えて異彩を放つ市議が――。
10月2日に行われた市議会への説明会は「 文春オンライン 」でも報じたように冒頭以外、非公開だった。この説明会で市長へ質問をした議員のひとりが、一人会派「なないろ」の入澤繭子市議だ。
説明会では各会派から質問があった。例えばラブホテルを使用したことについて見解を問われた小川市長は、「“相談場所”として誤った選択をしたことで、結果として大きな誤解を生んでしまったこと、私の判断が身勝手であったこと、公人としての自覚が足りなかったことについて、本当に申し訳ないと思っています」と回答。他にも、市長の進退や市政運営への影響などについて質問が相次いだ。
そんな中、入澤市議はこんな趣旨の質問をしていた。
「尾行していたとされる市の関係者の情報は把握しているのか」
市長は主にこう回答。
「公用車を尾行された事案は把握しており、当該車両の車種及びナンバーについては記録しておりますが、市の関係者であるか否かを含めて特定はしておりません」
すでに「 週刊文春 」をはじめとするメディアでは、夫と小川市長との関係を疑った“奥さま探偵団”による調査の結果、夫とは別の市幹部との逢瀬が判明し、ラブホ密会が暴かれた――との経緯を報じている。「市の関係者」の尾行とは、一体何をさしているのか。
「入澤市議は2020年に前橋市議補選で2万3000票以上を得てトップ当選。現在3期目の女性議員です。議員になる前は自営業で、こども食堂やキッチンカー事業なども手掛けていました。無所属の一人会派ですが、選挙では立憲民主党の推薦を受けています」(全国紙記者)
小川市長周辺の取材を進めていると、入澤市議については「市長の政界における唯一の親友、盟友」(支援者)としてたびたび名前の挙がる人物でもある。
「入澤市議は小川市長と昵懇の関係と言われています。入澤さんが初めて市議選に立候補した時からの仲で、先の市長選でも支援者向けの集会などで、入澤さんが小川さんを応援する演説をしていたこともありました。入澤市議の配信動画で対談したり、ライブ配信に出演したりと共演も多いです」(同前)
そんな入澤市議が言う「尾行していたとされる市の関係者」とは何者なのか。この質問の意図は。そして、盟友として今の小川市長をどう見ているのか。入澤市議に直接聞いた。
――「尾行していたとされる市の関係者の情報は把握しているのか」という質問の意図は?
「『NEWSポストセブン』で最初に記事が出たじゃないですか。その尾行していた人が、相手方の人(不倫相手)を知っていたって書いてあったので。市の関係者が尾行していたのだなと思いました。記事によるとかなり長い期間、尾行されていたようなので、尾行していた側の情報があるかなと思い、質問しました」
――「NEWSポストセブン」などの記事からは市の関係者とは断定できないのでは。
「記事をよく読んでもらえればいいんですけど、市長の相手の職員を特定できるなら、追いかけていた人も市の職員か関係者っていうことですよね。普通の市民なら市の関係者だってわからないですよ」
入澤市議はここから、市長の不倫問題が「内部からのリーク」だったのではないかという持論を展開する。
「議員からなのか、市の職員からなのかわかりませんけど、内部リークがあって、その人たちは尾行をしていたのかなと。 (報道にある)今年2月から尾行していたとなるとかなり長い時間になりますが、自分の夫はシロだとわかった後も、なぜ執拗に尾行を続けたのか、自分に関係ないことをなぜメディアにリークしたのか、私はそっちが気になっちゃって。(尾行を)意図的にやってるってなると、この騒ぎも意図的に作ってるんじゃないかって思ってもおかしくないですよね?」
さらに、現在の騒動には「裏がある」という「市長への謀略説」を唱えた。
――それは市長を攻撃するという意図で?
「それ以外にないですよね。市長を攻撃するか、失脚を狙うか、メディアに売ってお金にしたいか。それ以外にやる必要ないですよね。自分に関係ないことだから。でも、誰もその点に触れないし、(市長は)責任とって辞任しろ、やめるまで叩く、みたいな現状は異常でしかない。だから何か裏があるんじゃないか、という意味もあって質問をさせていただきました」
さらに入澤議員は尾行への批判を続ける。
「ずっと尾けられてるのはプライバシーの侵害ですよね。それこそ家まで尾けられていたこともあったようで、ゆっくり2人で話が出来るところがない、となるのもしょうがないと思う。今回の場所(ラブホ)を選択したのは、完全にミスだと思いますけど、そこまで追い詰められるような生活環境にされるのは、市長といえどもきついだろうなと」
――改めて確認ですが、「NEWSポストセブン」の記事を読んで判断した以外に市の関係者が尾行していたという情報があった?
「全然ないです。記事を読んだ違和感です」
――入澤市議は市長と関係が近いと言われている。集会で演説をしたり。
「事実です。もともと私が市議選に出る時、県議時代の小川さんを紹介されて知り合いました」
――経緯は?
「もともと私の父が小川さんの(当時の)後援会長の親友で、小川さんがお葬式に来てくれたことがありました。その時は話さなかったんですけど、私が立候補した時に誰かに紹介してもらって。そこからです」
――入澤市議から見て小川市長はどんな人ですか?
「彼女のほうが年下だけど、すでにキャリアがあって、弁護士さんだしはっきり物事を言う人、信用できる人だなっていうのが最初の印象でした。私が市民から相談を受けたときに、どうやって解決したらいいですかっていう相談をさせていただいたことも。他にも大学生を呼んで政治参加を促す座談会をやろうという時も、お願いしたらフットワーク軽く参加してくれたり、こんなに親身になってくれる議員さんっているんだって議員さんのイメージが変わりました。直接タウンミーティングもしたりして、お母さんたちの悩みを聞いたり、そういうのが給食費無償化とかこども基本条例を作ることとかに繋がったと思います」
小川市長に逆風が吹き荒れる前橋市政の現状について、入澤市議は嘆く。
「彼女は、裏で何かコソコソやるとかできない人なんです。何が市民のためになるのかを是々非々で考えて進めていく。誰かを特別に優遇するとかってことをしないので、信頼できます。そういうところは女性市長であるからこそ出来る部分もあるのかなと。私も議員になるときにすごい怪文書とか回されて、嘘ばっかりなんです。周りを崩せばその人も崩れるみたいな、汚いやり方をする人ばっかりなんで」
そして、どこか小川市長を庇うようにこう語った。
「断罪するのが議員の仕事ではないと思う。法を犯してなければ、辞める、辞めないは市民の声と市長の判断ですから」
現役市議から「市長への謀略説」まで飛び出した今回のラブホ密会騒動。真相解明のために、市長からの誠実な説明が待たれる。「 週刊文春 電子版 」では“奥さま探偵団”が密会を暴いた経緯にくわえ、市長周辺の様々な人物と疑惑について詳報している。
「週刊文春」編集部/週刊文春
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