( 330216 )  2025/10/08 05:52:33  
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大阪・関西万博の運営費について、日本国際博覧会協会は230億~280億円の黒字を見込んでいると発表した。

これは、1160億円の運営費に対して、入場券やグッズの好調な売上が貢献し、支出も約50億円削減されるため。

開幕前は赤字が懸念されていたが、2005年の愛知万博を超える黒字が確実になった。

入場券の販売は目標をやや下回ったが、損益分岐点を大きく上回っている。

また、これに伴い、剰余金の使い道については国の会議で今後議論される予定である。

万博後の会場の活用についても合意が得られている。

(要約)

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大阪・関西万博の運営費の黒字見込みを明らかにした日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(左)と石毛博行事務総長=大阪市内で2025年10月7日午後5時3分、岡崎英遠撮影 

 

 日本国際博覧会協会(万博協会)は7日、大阪・関西万博の運営費の収支について、230億~280億円の黒字となる見込みを明らかにした。運営費(1160億円)の計画に対し、収入は入場券やグッズの販売などが好調で約230億円上回る一方、支出は費用の削減により約50億円下回ると試算した。剰余金の使い道は現時点では未定。 

 

 4月の開幕前は赤字も懸念されたが、2005年の愛知万博(愛・地球博)の運営費の黒字(約129億円)を超えることが確実になった。運営費とは別に、パビリオンなどの会場建設費(最大2350億円)を国、大阪府と市、経済界が3分の1ずつ負担するなど、巨額の公費が投入されている。 

 

 運営費の収支見込みは、7日に大阪市内で開かれた万博協会の理事会で報告された。入場券の売り上げは計画と比べて約200億円上回る見込み。収入の8割をまかなう計画で、3日時点の累計で約2207万枚が売れた。目標の2300万枚は未達だが、黒字と赤字の分かれ目となる損益分岐点の1800万枚は大きく上回った。 

 

 また公式キャラクター「ミャクミャク」の関連グッズの販売も好調で、ロイヤルティーなどその他収入も計画を約30億円上回る見通しとなった。 

 

 支出は、経費削減の効果が約100億円出た一方、マイカーの駐車場とシャトルバスを組み合わせた「パーク・アンド・ライド」は会期序盤の低迷により、約50億円の赤字見通しとなった。相殺して支出は計画と比べて50億円下回るという。 

 

 大阪・関西万博の運営費は、当初想定していた809億円から人件費の高騰などを理由に、1・4倍の1160億円に増額された。開幕前には前売り券販売の伸び悩みで、赤字が懸念された。 

 

 万博協会の十倉雅和会長は7日の記者会見で、剰余金の使い道について「万博の意義やレガシー(遺産)を伝えるものに使いたい。国の会議で今後議論される」と述べた。 

 

 大屋根「リング」(1周約2キロ)の閉幕後の活用については、国と府市、経済界が今年9月、北東側約200メートルを原形に近い形で保存し、市が周辺エリアを含めて「市営公園」として整備することで合意している。万博協会は、市に引き渡すまで約2年間かかり、それまでの維持費として数億円を見込んでおり、会場建設費の予備費(約130億円)の一部を充てる方向で調整する。【高良駿輔、岡崎英遠】 

 

 

 
 

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