( 330663 )  2025/10/10 04:07:55  
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自由民主党本部 

 

 戦後80年に合わせた石破首相の見解発表を巡り、自民党内でせめぎ合いが続いている。首相は退任前に「メッセージ」として発表することに意欲をみせるが、高市総裁ら新執行部や保守系議員からは中止を求める声が出ている。 

 

 首相は8日、北岡伸一・東大名誉教授と首相官邸で面会し、見解を巡って意見交換した。北岡氏は、2015年に閣議決定された安倍晋三首相(当時)の「戦後70年談話」を検討した有識者会議の座長代理を務めた経緯がある。 

 

 北岡氏は面会後、記者団に「首相は『なんで戦争になったのか』ということに強い関心を持っている」と説明。先の大戦が開戦に至るまでの経緯は過去の談話であまり言及されていないと指摘し、「(見解は)70年談話を上書きするものにはならない」と述べた。 

 

 これに対し、保守派がそろう新執行部の一人は「発表されれば、党の立場と誤解されないよう『単なる一衆院議員の意見でしかない』との見解を出す」とけん制する。歴史認識に踏み込まない内容であっても、中国や韓国の歴史戦に利用される可能性があるとの懸念があり、見解の発表は必要ないとの声が大勢だ。高市氏は総裁選期間中、「70年談話以上のメッセージは必要ない」と明言していた。 

 

 自民保守系議員による「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」は8日、見解発表を見合わせるよう求める文書を公表した。代表を務める青山繁晴参院議員によると、首相側は文書の受け取りを拒否したという。 

 

 

 
 

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