( 330693 )  2025/10/10 04:42:34  
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(写真:時事通信) 

 

「解党的出直し」とは一体何だったのか──。自民党・高市早苗氏が発足させた新執行部の顔ぶれに、政界からは疑問の声が多く上がるなか、ある野党幹部がこぼした“失言”が波紋を広げている。 

 

高市氏は、総裁選で支援を受けた麻生太郎氏(85)を副総裁に据え、幹事長に鈴木俊一氏(72)、選対委員長に古屋圭司氏(72)、総務会長に有村治子氏(55)、政調会長に小林鷹之氏(50)を登用。麻生氏は党内で唯一現存する派閥を率いるボスであり、麻生氏の義理の弟である鈴木氏と有村氏は同派閥の議員だ。 

 

党内基盤が弱いとされてきた高市氏においては、総裁選の勝利に貢献した麻生派の力で基盤を安定化させる狙いがうかがえるが、自民党の“古い体質”ともいえる「派閥政治」が復活したかのような布陣に、野党第一党である立憲民主党・野田佳彦代表(68)は、「派閥解消していない人が副総裁になり、その義理の弟さんが幹事長になり、そのグループの人が総務会長になり、露骨じゃありませんか」(10月7日の連合定期大会)と怒り心頭だ。 

 

高市新体制に不満を抱えるのは、野田氏だけではない。同党の本庄知史政調会長(50)もまた、10月8日に開いた会見で、「麻生カラー」がにじみ出た高市新体制に苦言を呈した。 

 

本庄氏は会見冒頭、「自民党総裁の役員、人事の顔ぶれが揃いました。役員の皆さんが揃った写真を見て、改めて思ったのは……」と切り出すと、以下のような所感を述べた。 

 

「まぁ、麻生家に嫁入りした高市さんというような絵でしたよね。両脇に麻生さん、鈴木さんとご親戚の2人がおられて、可愛がられた小林さんが政調会長で。何とも言えない絵だと思いました。 

 

私は常々、人事はトップの専権事項なので、批評するのは好きじゃなくて、今までずっとそういうスタンスでした。ただ、今回は明らかに絵にかいたような傀儡の人事で、本当にひどいと感じざるを得ません。人事ができないリーダーは、結局、政策もできないということなんですね」 

 

本庄氏の険しい表情からは、高市氏に対する不満が見て取れるが、Xでは“麻生家に嫁入りした”という表現が「女性蔑視」だとして、批判の声が噴出している。 

 

《“野田家にお嫁入りした蓮舫氏“と自民党議員が言った場合、自分達がどう動くか想像できないところが立憲民主党が政権取れない理由の一つと思う》 

《私は本庄先生の発言は問題だと思いますし、立憲が野放しにするのなら、2度と多様性の尊重だのジェンダー平等だのいわんといてほしいですね》 

《この発言はあかん。こっちはこっちでこの程度の人権意識やねんなぁ》 

《なんだこれ…ドン引き》 

《何を思うのかは勝手にしろよと思うけど、それを口に出したらどうなるか想像出来ないのがアホらしい》 

 

自民党結党以来、初の女性総裁誕生という歴史手的快挙を遂げた高市氏だが、少数与党という現実に変わりはなく、野党にとってはその力が試されている状況だ。「嫁入り発言」の前段で、本庄氏も野党第一党としてのビジョンを以下のように語っていた。 

 

「少数与党となっていますので、この臨時国会でもかなり政策実現の可能性が高いと思いますので、野党間で協力できるものはしっかり協力し、1つでも2つでも政策実現が図れるように、政策責任者として努力をしていきたいと思います」 

 

この重大な局面で、政策責任者が自ら“失点”していいのか――。 

 

 

 
 

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