( 331253 )  2025/10/12 05:56:02  
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公明党の連立政権離脱を受け、今後の焦点は石破茂首相の後任を選ぶ臨時国会の首相指名選挙で、野党が自民党の高市早苗総裁に対抗するための統一候補を擁立できるかどうかに移る。政権交代の好機とみる立憲民主党は野田佳彦代表にこだわらず、国民民主党の玉木雄一郎代表への一本化をもくろむが、基本政策の一致を重視する国民民主側は慎重姿勢を崩していない。 

 

■「首相を務める覚悟はある」 

 

「私も党代表として首相を務める覚悟はある」 

 

玉木氏は10日夜のインターネット番組で、以前から公言してきた首相就任への決意を語った。翌11日には大阪市で記者団に「現在の立民とは組めない。基本政策が違う」と強調した。 

 

玉木氏が警戒するのが立民の動きだ。安住淳幹事長は7日以降、野党幹部と相次いで会談。その際、野党統一候補を擁立する案に言及し、玉木氏を「有力な候補」と説明してきた。 

 

公明の連立政権離脱により、衆院会派で与党が持つ議席は自民単独の196議席になった。これに対し、立民、日本維新の会、国民民主がまとまれば計210議席となり、首相指名選挙で高市氏の首相就任を阻める可能性がある。このため、立民は色めきだっており、野田氏も周辺に「こんなチャンスはめったにない」と漏らす。 

 

■立民の〝数合わせ〟との見方も 

 

これに対し、国民民主は立民が安全保障やエネルギーなどの基本政策を棚上げし〝数合わせ〟に走っているとみる。立民は安倍晋三政権下で成立した安保関連法の「違憲部分の廃止」を訴えているほか、党綱領に「原発ゼロ」社会の実現を明記している。共に旧民主党を源流に持つとはいえ、現実的な安保政策や原発の推進に前向きな姿勢をとってきた国民民主とは異なる。 

 

野田氏は4月に立民と国民民主が支援組織の連合を交え、基本政策の合意文書を交わしていると主張する。だが、国民民主の榛葉賀津也幹事長は「あの文書には原発の『げ』の字も書いていない」と突き放す。 

 

国民民主は旧社会党出身者など左派系議員の発言力が強い立民が、安保やエネルギーで歩み寄ることは困難と見越す。立民内が玉木氏への一本化でまとまるかも不透明で、国民民主幹部は「本気じゃないのに組むのは無理だ」と立民のこれ以上の接近を牽制する。(永原慎吾) 

 

 

 
 

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