( 331323 ) 2025/10/12 07:19:27 0 00 「すべてを失ってしまいました…」年収1,000万円の52歳管理職、コンビニ弁当を食べながら噛み締める孤独。きっかけは「地方出張の夜、居酒屋で」
50代に入り、そろそろ定年が見え始めた男性。代わり映えのしない毎日を送っていましたが、ある日、運命を左右する出会いが訪れます。それをきっかけに、「家庭的で堅実な管理職」が失ったものとは――。そして、彼が背負うことになった金銭的・心理的な代償について見ていきましょう。
佐々木和利さん(仮名・52歳)は、管理職として働く会社員。年収は1,000万円を超え、住宅ローンも順調に返済しながら、妻と大学生・高校生の子ども2人と暮らしていました。
勤め先は老舗の機械メーカー。保守的な社風で、社員同士の家族ぐるみの付き合いも多い環境です。若手社員の結婚式では乾杯の挨拶を任され、忘年会では「家庭を大事にする上司」として慕われる存在。社内での評判は上々でした。
佐々木さんの人生を狂わせたのは、地方出張の夜でした。立ち寄った居酒屋で隣に座った34歳の女性と意気投合。東京でも会うようになり、次第に心を奪われていきます。家庭も仕事も守るつもりでしたが、気づけば頭の中は彼女のことでいっぱいになっていました。
帰宅が遅くなり、休日も「外出」と称して彼女に会う日々。変化を敏感に察した妻は、あっさりと浮気を見抜きました。
「もう終わりにしたい」——離婚を切り出すと、妻は驚くほど冷静に応じたといいます。離婚協議は淡々と進みました。結婚25年の間に築いた貯金3,000万円のうち1,500万円を妻に分与。さらに、妻子が暮らす持ち家のローン(月12万円)を名義上は妻に譲渡する代わりに、残り数年分の支払いを補助する形で合意。
加えて、子どもが大学を卒業するまでの教育費と生活費に必要な額を支払う約束をしました。結果的に、手元に残ったのはわずかな貯金と退職金の一部。佐々木さんは身ひとつで賃貸マンションに移り住むことになったのです。
失ったものは、家族だけではありません。離婚前後から社内で不倫の噂が広まり、特に女性社員からの信頼が失墜。保守的な社風もあり、「家庭的で信頼できる上司」だった評価が一変しました。
それでも、「彼女が自分を必要としてくれるから、それでいい」と思っていた佐々木さん。ところが、離婚を報告してまもなく、彼女の態度が急変。新しい恋人ができたと告げられ、関係はあっけなく終わりました。
レストランでの食事やプレゼント、旅行代、将来の約束――。残ったのは、寂しさと空っぽの通帳だけでした。
「何もしなければ、妻と平穏な老後を迎えられたのに。本当に馬鹿でした」
今では週末も一人。妻の手料理があるわけもなく、コンビニ弁当を食べています。貯金の半分、住宅ローン、教育費、会社での信頼、そして家族──失ったものは数知れません。
「刺激的な時間なんて一瞬。大切なのは積み上げてきた日常だった」
そう語る佐々木さんの姿は、感情に流される怖さを静かに物語っています。平穏を壊すのは、たいてい“ちょっとした気の緩み”から。後悔を背負って生きるより、今ある生活をどう守るかを考えることの方が、ずっと難しく、そして尊いのかもしれません。
THE GOLD ONLINE編集部
|
![]() |