( 126423 )  2024/01/08 12:14:07  
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2021年3月、元アイドルの女性、菩提寺由美子さんが川越市の街並みを巡るコスプレイベントを企画したが、SNS上で無許可との誤った情報が拡散され、イベントは中止に追い込まれた。

その後、菩提寺さんは開示請求で発信者を突き止め、損害賠償や刑事告訴まで行った。

イベント中止による悪影響などから、菩提寺さんは被害者の裁判を乗り越えた思いを語っている。

(要約)

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イメージ写真(記事の内容とは無関係です) 

 

川越の町並み 

 

資料を見ながら訴訟を振り返る菩提寺さん 

 

賠償請求訴訟の書類 

 

菩提寺さんの会社が企画した過去のイベント(菩提寺さん提供、画像は一部加工されています) 

 

菩提寺由美子さん 

 

 2021年3月、あるコスプレイベントの告知がツイッターに投稿された。コスプレをした参加者が、「蔵造り」で知られる埼玉県川越市の街並みを散策する予定だった。 

 

元アイドルの女性、自死直前のSNSが波紋 

 

 すると、SNSで根拠のない批判にさらされた。 

 

 「こちらの主催、無許可です」 

 

 「(参加した場合)事情聴取される可能性が高いです」 

 

 これらは誤りだった。この種のイベントに警察の許可は必要ない。地域の関係者も事前に理解していた。しかし、誤情報は瞬く間に拡散。イベントは中止に追い込まれた。 

 

 SNSでの誹謗中傷は、姿の見えない投稿者からの攻撃だ。被害者は泣き寝入りするケースも多い。しかし、このイベントを企画した会社の菩提寺由美子さんは違った。開示請求で発信者を突き止め、損害賠償、刑事告訴まで踏み切った。被害者にとって裁判は時間的にも精神的にも大きな負担だ。それを乗り越えた菩提寺さんに話を聞くと、「(2020年に命を絶ったプロレスラーの)木村花さんを思い浮かべた」という。(共同通信社=赤坂知美) 

 

 ▽身近な誰かの嫌がらせかも。疑心暗鬼に 

 

 当初、イベントの準備は順調に進んでいた。地元の商工会議所に事前連絡して了承を得ていた。必要な許可などの打ち合わせも済んでいた。この種のイベントに道路使用許可は不要だ。他の着物レンタル店やバスツアー客が参加するイベントも、申請なしで問題なく開催されていた。警察にもイベント当日の巡回をお願いしてあった。 

 

 このため、SNSで批判が広まった直後に、「開催に法的問題はない」と投稿した。しかし、拡散は誤った情報の方が早く、信用されやすかった。根も葉もないうわさを広めたのは誰なのか。菩提寺さんは当時の気持ちを振り返る。「身の回りにいる友人や知人ではないかと思い怖かった」 

 

 ▽友人たちの励まし「あなたは悪くない」 

 

 結局、イベントは中止に追い込まれた。事前に予約していたホテル代や交通費が無駄になった人もいた。開催に力を貸してくれた人にも申し訳ない。楽しみにしていた人々の顔を胸に浮かべると、「誹謗中傷の被害を世に出さないと」と気持ちが固まった。 

 

 知人を通じて弁護士に相談した。まずはSNSで情報を発信した人を特定する「開示請求訴訟」で投稿者の男女3人を特定した。3人とも全く面識がなく、付近に住んでいる訳でもない人と分かった。いったんは胸をなで下ろした。ただ、根拠のない誹謗中傷を安易に拡散したこの3人を許せなかった。 

 

 

 
 

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