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能登半島地震の救出劇について、石川県珠洲市で倒壊した家屋から90歳代の女性が地震発生から124時間後に救出された。

警視庁特殊救助隊が救助に関与し、女性は7日朝には会話ができる状態まで回復したという。

救出にはさまざまな組織の人々が関わり、長時間頑張った高齢の女性の命を救った。

(要約)

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地震発生から約124時間ぶりに、倒壊した家屋から90代の女性が救出された現場=石川県珠洲市で2024年1月6日(警視庁提供) 

 

 能登半島地震では、石川県珠洲市内で倒壊した家屋の下敷きになった90代女性が地震発生から約124時間ぶりに救助された。救助活動に関わった警視庁特殊救助隊のメンバーが現地から帰還し、指揮にあたった堀越貴夫警部補(45)が9日、報道陣の取材に応じ当時を振り返った。 

 

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 堀越警部補らによると、女性が取り残されている可能性にまず気づいたのは、救出当日の6日に聞き込みをしていた福岡県警の警察官だった。知らせを受けた特殊救助隊は午後1時半ごろ、現場へ駆けつけた。 

 

 2階建ての木造家屋は1階が崩れていた。隊員らは2階部分のわずかな隙間(すきま)から入り込み、1階部分で脚を床とはりの間に挟まれた状態の女性を見つけた。女性は呼びかけにうめき声で応じ、医師の差し出す手を弱いながらも握り返してきたという。救助隊員らは上にのしかかった家財道具などを慎重に取り除きながら、並行して体を温めるなど救命措置も取った。 

 

 地震発生5日後だったが、堀越警部補は2023年2月のトルコ・シリア地震の被災地に国際緊急援助隊として派遣された際、発生から120時間以上過ぎた後に6歳の少女が救助された現場を目撃していた。 

 

 今回の派遣でも「絶対に助け出すぞ」と隊員たちを励まし続けた。女性は午後8時過ぎに救助された。 

 

 救出劇には、組織を超えて多くの人たちが関わった。緊急消防援助隊京都府大隊の粂(くめ)孝宜・救助小隊長は「女性の周囲の空間が狭く、活動は困難を極めたが、どんな状況でもあきらめずに活動できた」と話す。 

 

 また、NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」の稲葉基高医師らは倒壊現場で、女性に点滴や薬剤の投与をした。「水分や少しでも暖かい環境があれば、(生存率が著しく低下するとされる)72時間を超えて救助される事例もある。救助と医療の連携が、長時間頑張ってきた高齢の方の命を救った」と語った。 

 

 女性はけがをしていたが、7日朝には会話ができる状態まで回復したという。【加藤昌平、大塚愛恵】 

 

 

 
 

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