( 127184 )  2024/01/10 13:40:02  
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ANAカーゴが導入したボーイング777Fの報道陣公開が行われた。

777Fは、従来の主力機であるボーイング767Fの2倍近い搭載重量を誇り、最新型の777-8Fも導入が予定されている。

一方、ボーイングは747シリーズの生産を2023年で終了予定であり、777Fが今後の主力貨物機となると見られている。

(要約)

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報道陣に公開されたANAカーゴのボーイング777F(乗りものニュース編集部撮影)。 

 

 ANA(全日空)グループの貨物専用航空会社、ANAカーゴが2機導入している大型貨物専用機「ボーイング777F」。この機内が報道陣へ公開されました。 

 

【写真特集】客室もベッドも! ANAの「大型貨物機」内部を体験 

 

 ボーイング777Fは、旅客機の777-200LRをベースにした大型の貨物機で、日本の航空会社が同型機を導入するのはANAグループが初めてです。「BLUE JAY(ブルージェイ)」という、北米に生息する青い翼の鳥、日本名「アオカケス」の名が愛称として与えられ、機体後部の左側には、そのマークも描かれています。 

 

 搭載重量は、それまでANAカーゴの主力機であったボーイング767Fと比較して2倍近い102tを誇ります。 

 

 ただこの数値、先代モデルにあたる、いわゆる「ジャンボジェット」の貨物機型747Fシリーズには及びません。747Fシリーズは747-400Fで113t(カーゴルクスより)、最終型の747-8Fで133t(日本貨物航空より)となっています。 

 

 ベースが半世紀前の機体である747Fシリーズを後継する大型貨物専用機が777Fですが、747Fシリーズは2階建ての胴体のメインデッキ(1階)をすべて貨物室にできることから、搭載重量や対応可能な貨物の大きさといった観点で777Fは比較されがちです。 

 

 777Fの貨物室は747Fシリーズとは異なり、メインデッキをすべて使用できるわけではありませんが、それでも「世界最大の航空機エンジン」といわれているゼネラル・エレクトリックGE90シリーズ(ボーイング777-300ERなどに装備)も搭載できるとのこと。747にも劣らないような大型の貨物室であることは間違いありません。 

 

報道陣に公開されたANAカーゴのボーイング777F(乗りものニュース編集部撮影)。 

 

 その一方で、エンジン4基の747Fシリーズとは異なり、777Fのエンジンは2基です。それゆえに燃費効率や騒音なども低く抑えることができます。 

 

 なお、製造元のボーイングは2023年、最後の747-8Fを完成させ、これをもって747Fを含めた747シリーズの生産を終了すると発表しています。 

 

 ボーイングは12月に実施した記者会見で、“747F後継問題”について幹部が次のように回答しています。 

 

「実は超大型機を必要とするような航空貨物の需要は、全体の5%未満です。また、747Fシリーズは今後25年に渡り運用されていくでしょう」 

 

 つまり、747Fほどの搭載重量が必要な場面はそれほど多くなく、それは747Fで賄えるということ。ボーイングの大型貨物機としては、大きさと環境性能を兼ね備えた777Fが今後の主力となっていくことでしょう。 

 

 なお、ANAグループでは777Fのなかでも最新型の「777-8F」をすでに2機発注しています。こちらは777Fよりも燃費効率や騒音にさらに改善が見られる一方で、最大118トンの搭載重量を持つモデルです。 

 

 ちなみに、同社の777Fの機内には客室もあり、内部にはビジネスクラスのような座席やベッド、「ギャレー」と呼ばれる簡易キッチンなども存在します。 

 

松 稔生(航空ライター) 

 

 

 
 

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