( 127585 ) 2024/01/11 21:54:14 0 00 「住んだの1週間」娘夫婦の新築住宅を津波が襲う 娘は臨月…父が涙「どこへ帰れば」
能登半島地震の死者が206人に上っています。この中の8人が、災害関連死であることが分かりました。
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41人の安否不明者がいる輪島市。朝市通りでは、大雨警報が出るなか、大規模捜索が行われました。
消防隊員 「声掛けあって活動してください」
石川県内の死者数は206人、52人の安否が分かっていません。
震度6強を観測した珠洲市。倒壊した住宅もいまだ、手つかずの状態です。
地震直後、津波に襲われた街には、津波で押し流されたと見られる家財道具などが多く残っています。そして、車が津波によって押し流されたのでしょうか、岩に乗り上げるような形になっています。
高台から津波の瞬間を捉えた映像です。撮影したのは、この家に住む舟木茂則さん(68)です。
舟木さん 「室外機が、室外機が埋まるという、室外機があれです。そこまで上がってきたんですよ。ここは川です。このままだからダーッと、全部流れてきました」
飼っている2匹のネコは無事だったといいますが、玄関先には津波の跡が残ってます。ひざ上ぐらいまで津波が上がってきたことが分かります。
地震発生当初、舟木さんは津波が来るとは思っていませんでした。
舟木さん 「全然信じてなかった。僕の場合は、電話で3メートルの津波が来るよと聞いて、初めてウソーッて。だってずっと、海を見ていたもん」
それでも、万一に備えて高台に避難したところ、本当に津波が来たのです。
舟木さん 「(Q.自宅がどんどん津波に飲み込まれる様子を上からご覧になってたわけですよね?)そうですね。やっぱり痛いわね、心。あぁと言って諦めもあるけどね。しょうがない」
能登半島の最先端にある須須神社。氏子総代を務める辻一さん(68)は、津波がおさまってから家に戻ろうとしましたが…。
辻さん 「ひざまでつかりながら、家まで帰ってきた」 「(Q.ひざまで津波につかって、怖かったですね?)怖かったです。下に何があるか分からないし、いつもこうやって歩いてる道なんですけど、それがひざまであると、そこに何があるか全然分からないから、歩きにくいし、怖いし」
住宅に突っ込んだ津波で押し流された車。寺家地区は、壊滅的な被害が出ました。
辻さん 「もう(家を)潰す。皆、ほとんどの人が潰す!潰す!と聞いてますよ。皆、この人も(家を)潰す!」 「(Q.この辺りに住んでる方も、顔も知ってて?)避難所にいます。家族皆、避難所で今生活してます」
発生当初、この地域の避難所には100人が身を寄せました。避難所だけでは足りないため、近くのビニールハウスでも寝泊まりしたといいます。幸いにも、寺家地区で犠牲者はいませんでした。
津波は、辻さんの娘夫婦が新築したばかりの家を襲いました。
辻さん 「新築して、12月の10日すぎに明け渡しになって。それから引っ越しして、正味、住んだのは10日もありません。1週間くらい」
辻さんの娘夫婦は大工の夫、1歳半の子どもとの3人家族です。新居は大工の娘婿が、自ら12月に建てたばかりでした。津波の後、娘夫婦は…。
辻さん 「夫婦がここへ来たがって、だからちょっと必要な重要なもん。2人して泣きながら探している姿を見ると、本当にかわいそう」
娘夫婦は珠洲市の中心に住んでいましたが、辻さんのすすめでこの土地に新居を構え、楽しい生活を送るはずでした。
辻さん 「(Q.娘さん、お婿さんに何か話されましたか?)かける言葉がない。頑張れよしか言われんもん、俺。細かいことまで聞けない。保険どうなったとか、今後どうするとか聞けない。頑張れよしか言えない。娘夫婦もあきらめてるけども、どうしてやればいいのかな。俺の責任だな。ここへ来いって言った」
現在、妊娠中の娘は臨月のため、金沢市の病院に入院しています。
辻さん 「そこで出産して、帰ってくる家もない。俺の実家も入れん。どこへ帰ればいいの。まさか避難場所に連れていけないだろ、まあまあ人にも迷惑掛かるし、自分らの小さい子が親に泣いたり、おむつ換えたりすると、皆にも迷惑掛かるし、どうしようかなと本当に今、近々のことで悩んでますよ」
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