( 127872 ) 2024/01/12 13:39:18 0 00 スポーツバイクの多くは5速、または6速の変速機(トランスミッション)を装備しており、スピードや走行状態によってギアチェンジを行ないます。
【画像】どれもカッコイイ! 「クイックシフター」標準装備orオプション設定の車両を見る(16枚)
クイックシフターを作動させるために、シフトペダルのリンクシャフトに設けられたセンサースイッチ。写真はホンダ「XL750 TRANSALP」でオプション設定のアップ/ダウン対応のクイックシフター
ギアチェンジするにはアクセル(スロットル)を戻し、クラッチを切り、シフトペダルの操作が必要になりますが、「クイックシフター」を装備していれば“シフトペダルの操作のみ”でギアチェンジが可能になります(走行中のギアチェンジのみ。発進時や停止時はアクセルやクラッチの操作が必要)。
クイックシフターは速さを競うレースシーンで、ギアチェンジにかける時間を短縮するために生まれた機構です。
ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE」シリーズのアップ/ダウン対応のクイックシフターは、操作フィーリングの選択が可能でメーター内に設定を表示する
加速する際のシフトアップで、アクセルを戻してクラッチを切っている間はエンジンのパワーが後輪から途切れるため、その分加速が鈍ります。またカーブを立ち上がる際は、まだ車体が深く傾いて旋回中にシフトアップしますが、ここで後輪の駆動力が途切れると、走行ラインが膨らんでしまいます。
反対に減速時のシフトダウンは、スムーズに行なわないと強くエンジンブレーキが効いてショックが発生します。これもシフトダウン操作にかける時間が長いことが原因ですが、このショックがカーブに進入する時に起こると、思い通りに曲がり始めることができません。
そこで、アクセルとクラッチの操作が不要で、シフトペダル操作のみで瞬時にギアチェンジできるクイックシフターが必要になったワケです。クイック(quick)は「素早い、迅速な、短時間の」といった意味なので、まさに名前通りの機構です。
じつは、シフトアップ側のクイックシフターは、けっこう以前から存在していました。あくまでレース用で同様の装備としては、1970年台頃から使われていました。
そもそもギアチェンを行なう時に、アクセルを戻してクラッチを切るのは、変速機のギア同士がガッチリと噛み合っていてギアが切り替えられないため、その噛み合った力を抜くために行なっています。
そこで、シフトペダルを操作する瞬間にエンジンの点火をカットして、ギアが噛み合う力を抜くのが、シフトアップ側のクイックシフターの大まかな仕組みです。
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