( 128984 )  2024/01/16 00:53:26  
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東京での中学受験に代わり、高校受験を選ぶ人が増えていると報告されています。

特に、富裕層の家庭でもその選択が見られるとのことで、それには留学や受験時期の影響があるようです。

一方で、早生まれや晩熟タイプの子供が中学受験における不利を受けてしまう可能性があり、それが自己肯定感の低下や将来の影響につながるという指摘がなされています。

そのため、中学受験よりも高校受験にスポットを当てるべきだと主張しています。

(要約)

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 「中学受験ブームが加熱している東京で、あえて高校受験する人たちが今、密かに増えています。世帯年収が高いご家庭でも、そのメリットを知れば、『うちの子には高校受験の方が合っている』とあえて選ぶ人もいるんです」と語るのは、X(旧Twitter)のフォロワー数4万人超えの大人気教育系インフルエンサー、東京高校受験主義(@tokyokojuken)氏だ。 

 

 なぜ今、あえて富裕層の家庭でも、高校受験が選ばれているのか。「北米の人気高校に1年間、激安で留学できる制度もあるんです。人によってはタダで行けちゃいます」。同氏に聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「逆転の中学受験」第5回。 

 

 東京は空前の中学受験ブームです。市場でいうならばレッドオーシャン。株価でいえば「高値づかみ」にあたるでしょう。 

 

 投資の世界には「靴磨きの少年」という話があります。株に興味のない人間が株の話をし出したら、それは危険を示すシグナルであるというものです。 

 

 今の中学受験は、まさにそれを連想します。中学受験に向かない家庭や子どもが、メディアに煽られ、同調圧力に屈して、中学受験に参戦し、適性に合わない受験を強いられています。私のもとには、受験狂騒曲で疲弊してしまった保護者の相談が止みません。 

 

 本当に中学受験が「最適解」なのでしょうか。公教育が異次元に恵まれた東京都で、レッドオーシャンの中学受験に突っ込むことは、実は多くの一般家庭にとって「損失」の方が大きくなるのではないでしょうか。「東京の高校受験ルートは日本一」と唱える私が、中学受験ありきのご家庭に一石を投じます。 

 

 中学受験は選抜時期が早すぎるために、努力よりも、早生まれや、晩熟タイプの子が極端に不利になってしまいます。 

 

 今から20年ほど前に、関西の名門一貫校、灘中学校の合格者について、生まれ月が調べられました。その結果は、以下のとおりです。 

 

4~6月生まれ 197人 

7月~9月生まれ 157人 

10~12月生まれ 111人 

1~3月生まれ 76人 

 

 月別の出生数に大きな差はありませんから、露骨なまでに早生まれに不利になることがお分かりになるでしょう。 

 

 これは学術的にも証明されつつあります。10歳~12歳時点では算数や国語の学力が生まれ月によって大きな差がでて、15歳になると縮まっていくことが判明しています。 

 

 早生まれや、成長が遅い晩熟タイプが中学受験をすると、努力をしても報われない経験が積み重なり、「自分は能力が劣っているんだ」という劣等感を抱くようになります。こうした劣等感、自己肯定感の低さは、それがそのまま将来の学歴や年収に負の影響を与えてしまうことが最近の研究で明らかになっています。 

 

「自己肯定感」は教育の重要キーワードです。私はこれを「生きていくための偏差値」と表現します。中学受験に参戦した結果、偏差値やクラス変動に一喜一憂し、友達から学力を馬鹿にされ、自己肯定感を喪失した子どもを何人も見てきました。偏差値は勉強すれば上がりますが、失った自己肯定感を取り戻すことは容易ではありません。 

 

 早生まれの子、早熟タイプではない子は、中学受験ではなく、高校受験で勝負させてあげてください。どんな高年収の世帯であっても、です。 

 

 最後に、都立高校の名門校の1つ、国立(くにたち)高校の新入生121人の誕生月を独自に調べました。 

 

4~6月生まれ 19人 

7~9月生まれ 39人 

10~12月生まれ 25人 

1~3月生まれ 38人 

 

 早熟タイプが中学受験で抜けてしまった結果、相対的に早生まれや晩熟タイプが浮上している可能性を示唆するデータです。 

 

 

 
 

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