( 129257 )  2024/01/16 15:03:07  
00

週刊文春による性行為を強要されたという女性の告白記事が松本人志による活動休止につながり、テレビ界に大きな影響を与えている。

松本は複数のレギュラー番組を降板し、業界内では引退と見なされている。

テレビ局との関係性にも注目が集まっており、報道番組の扱いも変化している。

また、大手メディアが無視してもネットメディアやSNSで広まる影響力が大きく、吉本興業の反応についても話題となっている。

事件については未だに続報がある状況であり、松本の説明や裁判の結果次第で話題が変わる可能性がある。

(要約)

( 129259 )  2024/01/16 15:03:07  
00

写真提供: 現代ビジネス 

 

 性行為を強要されたという女性の告白記事が週刊文春に出たことで、ダウンタウンの松本人志が11月8日に活動休止発表、テレビ界が大騒ぎとなっている。複数の関係者に連絡してみたところ、興味深い話が続々と聞かれた。 

 

【写真】いったい何が…「キムタク」に起きた、まさかの異変「最近、様子がおかしい」 

 

 所属の吉本興業が「事実無根」とし、法的措置を伝えた中、松本は「裁判との同時並行ではこれまでのようにお笑いに全力を傾けることができなくなってしまう」と、7本のレギュラー番組を事実上の降板。 

 

 民事裁判は3年以上の長期に及ぶことが予想されるため、業界内では「引退同然」と見る向きもある。実際、松本出演のバラエティー番組スタッフは、上司から「松本の復帰が難しい」という見通しを聞いたという。 

 

 「プロデューサーが急きょ深夜に一部のスタッフを集めて話をしたんです。あくまで個人的な集まりでしたが、松本さんの復帰は厳しいと言っていました。世間では、法廷で白黒決着つければいいっていう声が上がっているけど、民事裁判は刑事のように事実をハッキリさせるものじゃなく、あくまで松本さん側の損害賠償を求めるものになるから、争点が違う。 

 

 だから、もし松本さんが裁判で勝っても、女性の告発がまったくのウソだったという証明にまでならないことも予想されるし、どっちにしても松本さん不在では番組自体が長く持たないだろう、っていう話でした」 

 

 本件は、松本とテレビ局の関係性にも注目を集めている。休止発表の直後、松本は「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす」とSNSに投稿、昨年3月までコメンテーターを務めていたフジテレビ情報番組の14日放送への出演を一方的に伝えたが、フジ側の判断で却下された。 

 

 フジ関係者からは、こんな話が聞かされた。 

 

 「表向きは局の上層部が止めたことになっているけど、裁判への悪影響を考えた吉本側のストップだったらしい。松本さんが番組に出ると言って実際に番組に出られたら、文春報道によって仕事が潰れたっていう被害ロジックが主張できなくなるからだって」 

 

 あくまで関係者間の噂であり実際のところは分からないが、たしかに松本の投稿はまるで「自分に逆らうテレビマンがいない」と認識していたかのようなものだった。 

 

 いずれにしても、ここまで話が広がったことで、当初は黙認していた各局の報道番組も無視できなくなったが、「昔なら文春ネタひとつでここまでの事態にはならなかった」と、最近まで情報番組のプロデューサーをしていたテレビマンが話す。 

 

 「情報番組が取り扱う芸能ゴシップには、マニュアルにない裏基準が存在するんです。上の判断で『これはやるな』と指示されることもありますが、その前に僕ら現場でも基準もあって」 

 

 視聴者の間では、テレビで活躍する有名タレントや、力のある所属事務所のタレントについてのネガティブな話を取り扱わないゴシップの選別が指摘されてきた。しかし元プロデューサーいわく、それとは別に「ゴシップの場合、報じたメディアがひとつだけにとどまる場合はやらない」という裏基準があるという。 

 

 「僕らにとってそのゴシップの信ぴょう性は分からないじゃないですか。影響力のあるテレビでそれを拡散させてしまう責任が重いので、1媒体だけが伝えているゴシップは基本、扱わないんです。でも、主力メディアが2つ以上も同じテーマをやりだした場合は選択肢に入れます。 

 

 その基準で言うと、文春だけが報じていた松本さんの問題を最初、テレビが扱わなかったのはおかしい話ではなかったんです。でも、いまの時代、新聞や雑誌が追わなくてもネットメディアとかSNSが取り上げるので、無視できなくなりました」 

 

 過去、ジャニーズ事務所の問題でも見られたように、ごく一部のメディアが伝えるにとどまったゴシップは無数にある。しかし、いまやネットで拡散されることの影響はかなり大きく、大手メディアが無視しても、ネットメディアやSNSでの広がりは止められない。 

 

 吉本興業もそこで反応せずにいられなくなり、皮肉にも「事実無根」と真っ向反論したことで大手メディアでも扱われる話になった。 

 

 「もし、吉本が徹底して反応しないで黙っていれば、テレビ側としては無視したままという可能性もあったんですが、番組のスポンサー企業が見過ごせないレベルになるとそうはいかない。吉本は近年、各方面にビジネスを広げている企業だから、なお反応を迫られます。 

 

 こうなるとネットの影響力がマスコミより大きくなっているということですよ。もう僕らの裏基準だって意味なくなってしまう。週刊誌1誌しか報じていないゴシップでも、ここまでになるんです。ただ、それが誤報だったりしたときのリスクもあるので、扱い方は難しいですよ」(元プロデューサー) 

 

 年明け、能登地震と航空機事故の深刻な悲劇があり、社会的に優先的なテーマではない芸能ゴシップはしばらく不要になると思われた矢先だったが、松本の活動休止は世間が最大級のニュースとして受け止めた。 

 

 文春はその後も15~19年ごろに大阪や福岡でも同様の被害があったと続報記事を出し、女性の仲介役として名前の出たスピードワゴン小沢一敬ら複数のタレントたちの動向にも注目が集まっている。 

 

 長年の芸能記者の見解を言わせてもらうと、ゴシップは謎や疑問が残るほど賞味期限が長くなる傾向がある。 

 

 今回、松本の疑惑は秘匿性の高い話で、さまざまなスキャンダルに話が広がり可能性があり、部外者に真相が見えにくい分、長引くものと見ることができる。 

 

 それこそ当の松本が詳細を丁寧に説明するようなことがあれば、人々の関心も薄れやすくなるが、説明なしの裁判突入ならば、そう簡単に幕が下りなくなる。 

 

 【もっと読む】『松本人志の“文春砲”で考えるべきこと…アテンド経験のある女性が語る「違和感の正体」』 

 

片岡 亮(フリージャーナリスト) 

 

 

 
 

IMAGE