( 129537 )  2024/01/17 12:31:30  
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自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で初の逮捕者が出た。

ジャーナリストの岩田明子氏は、この事件が言語道断であり、安倍元首相の関与を挙げた。

これまでの規範の形骸化や、安倍氏の死後に復活したキックバックの問題が背景にあると指摘した。

1989年の政治改革大綱や2001年の大臣規範など、政治資金規正法の改正が繰り返されてきたが、党全体としての規範順守の意識が薄くなってきたと述べた。

(要約)

( 129539 )  2024/01/17 12:31:30  
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 とうとう逮捕者を出した、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件。同事件について、「安倍元首相に最も食い込んだ記者」として知られるジャーナリストの岩田明子氏は「言語道断だ」と話す。同問題が起きた背景と、安倍元首相の思いについて、岩田氏が語る。  

 

 自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題が浮き彫りになりました。この問題は、言語道断であると言わざるを得ません。   

 

 この問題がここまで大きくなった背景には、これまでに定めてきた規範の形骸化や、一度は会長職にあった安倍晋三元首相がキックバックの政治資金収支報告書への不記載をやめるよう注意したにもかかわらず、安倍氏の死後に復活してしまった点が挙げられます。   

 

 古くは昭和電工事件から、ロッキード事件やリクルート事件など、政治とカネにまつわる問題は後を絶ちません。そのような事件が発生するたびに政治とカネの在り方が議論され、政治資金規正法も改正を重ねてきました。  

 

 自民党としても、リクルート事件を受けて1989年に政治改革大綱を策定。同大綱では、閣僚、派閥などによるパーティーの自粛やパーティー収支の明確化を含む政治資金の公開性の徹底、党役員・閣僚の派閥離脱などを掲げました。 

 

 また2001年には、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」ことなどを明記した大臣規範を閣議決定しています。  

 

 私の肌感覚としては、小泉内閣のころは大臣規範が守られていたと思います。私自身も、議員から「大臣規範があるのでパーティが開けません」といった声をしばしば聞いたものです。   

 

 それがいつの間にか、党役員らが派閥から離脱しなくなってしまった。岸田文雄首相は首相就任後も宏池会会長を務め、問題が表面化してようやく派閥離脱を表明しましたが、首相が派閥を離脱しないのは初めてのことです。  

 

 今回目立って報道されているのは清和政策研究会(安倍派)ですが、宏池会(岸田派)も大規模なパーティーを開き、かつパーティー収入の過小記載があったことが指摘されています。党全体として、規範順守の意識が薄くなっていたのです。  

 

 

 
 

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