( 129549 ) 2024/01/17 12:42:19 0 00 GettyImages
1月12日から13日に日付が変わった深夜、永田町関係者をどよめかせるニュースが出た。安倍派のパーティー裏金事件で、NHKが打ったニュースだ。
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《政治資金事件 安倍派と二階派の会計責任者を在宅起訴で検討》として、捜査を手掛ける東京地検特捜部の方針を大きく報じた。安倍派5人衆と呼ばれる、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長、高木毅前国対委員長、松野博一前官房長官、萩生田光一前政調会長は「おとがめなし」を意味する。
世論の反発は大きく、X(旧ツイッター)ではすぐさま《安倍派幹部の立件断念》がトレンドにあがり、《#検察仕事しろ》というハッシュタグをつけた投稿は10万ポストを超え、検察への批判が強まっている。
だが、このNHKの「立件断念」を「後追い」して報じたのは、読売新聞や共同通信、民放テレビ局にとどまることに注意したい。朝日は「後追い」していないのだ。安倍派のパーティー裏金事件を先行して報道してきた朝日新聞は、今も沈黙している。
1月7日、安倍派の衆議院議員、池田佳隆容疑者や秘書が政治資金規正法違反(不記載)で逮捕された。派閥のパーティー券を過去5年間で、4800万円あまりを記載せずに「裏金化」していたというものだ。また、不記載が5000万円とされる大野泰正参議院議員、4000万円という谷川弥一衆議院議員も立件の方向だ。
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NHKの報道をよく読むと、以下の記述がある。
《会計責任者は、これまでの特捜部の任意の事情聴取に対し、いずれもパーティー収入の一部を収支報告書に記載していなかった》 《安倍派「5人衆」と呼ばれる幹部や事務総長経験者などからも任意で事情を聴いてきましたが、安倍派の会計責任者との共謀は認められないとして立件を見送る方向》
また共同通信の記事は
《派閥の政治資金収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反容疑について、客観的な証拠が乏しく派閥の会計責任者との共謀を問うのは難しい》
と明確に書いている。
東京地検特捜部の捜査は、安倍派、清和政策研究会の政治資金収支報告書に対する組織ぐるみの事件と池田容疑者の議員個人の事件と、2つに分けて捜査している。NHKや共同通信が流したのは、安倍派の組織ぐるみの事件についての「立件断念」という意味である。
捜査幹部にその点を聞くと、こう答えた。
「安倍派という派閥で、パーティー券収入を組織的にごまかしてきた、それについて会計責任者は認めている。それは派閥の会長が最終的に判断するということという。
安倍派5人衆のうち3人は事務総長経験者だったが、彼らが会計責任者と共謀して清和政策研究会の政治資金収支報告書に不記載だったというハッキリした証拠や供述が得られないので、特捜部として立件は難しいということだ」
さらにこの捜査幹部はこう続ける。
「池田容疑者など議員個人の不記載はまだ、捜査が続いている。派閥のものと、議員個人の事件は別で、2つある。安倍派5人衆を含め議員個人のものは今も捜査が続いているんだよ」
つまり派閥の組織的な事件での「5人衆」への立件は断念する方向なのは確かだが、議員個人が政治資金収支報告書に不記載にしている分は捜査が続いているというのだ。
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